地味なスポットなのに調べると実はネタが豊富で困惑する
宮崎県新富町の観音寺山公園を見てきました。ぐるりと太平洋が見渡せる、初日の出を撮るのに良さそうな場所です。行ったのは晦日の昼間でしたが。
日豊本線は日向新富駅。航空自衛隊新田原基地が近いためか、駅前にT33ジェット機が展示してあります。その前の道を進んだところにある小高い丘のような山が観音寺山公園です。
標高 57m 。山頂へは遊歩道しかなく車では登れないので、意外にしんどい。
ちゃんと三角点があるそうで、宮崎県の山男山女を魅了しているようだ。
幕末には外国船を見張るための佐土原藩の見張り台があったそうで、遺構はないけどお城スキーの興味をひく。
山頂には灯台。
見晴らしはたしかに良い。ぐるりと太平洋が一望できる。
新富町中心部の方向。
さて、この観音寺山公園。古くは鬼付女《きづくめ》峰と呼ばれていた。
平安時代末期、このあたりには鬼がすみついて悪さをしていたという。
そこで登場するのが源為朝。為朝は船で近づいて得意の弓で鬼の目を見事に射抜いたのだった。鬼は逃げ出し、以来、この山は「鬼付女」と呼ばれるようになったという。
「鬼 突く 目」が「鬼付女」に転じたのだろう。
源為朝 – Wikipedia …を読むと、ちょっと問題のある乱世の奸賊のような武将だけれども、鬼退治のような民のためのこともしてるんですな。……という歴史好き・妖怪好きにもアピールポイントがある山でもあり。
遊歩道の途中に鬼の住みかだか逃げ込んだ場所だかの言い伝えがあるほこらがあったそうなのだけど、私は見落としました。ほら穴・洞窟好き属性あるんだけどな。ちぇっ!
山頂には高山彦九郎の歌碑がありました。これはびっくり。日向を訪れた彦九郎が登ったらしいんですな、この山に。
高山彦九郎 – Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E5%B1%B1%E5%BD%A6%E4%B9%9D%E9%83%8E
と、これで『風雲児たち』好きにも楽しい場所であって。
彦九郎が詩にした日向の田園風景は、いまはビニールハウス。
公園内には四国八十八霊場にあやかった八十八地蔵があり、他にも不動明王などの石像多数。公園の説明板によれば、ゆえにパワースポットなのだそうだ。
三角点は撮りませんでした。あると知ったのは東京に戻って、この公園について調べたから。
……と、これほど多方面にわたって魅力のある見どころ満載なスポットなのだけど、 年末ともあって、私たち一家以外には大きなキャンパスに油絵を描いてるおじさんが一人いただけでした。
おじさんは枝ぶりの面白いスダジイを描いておられた。