訪問日 : 2025-01-03
山陽本線には線路で城郭がぶった切られている城址がふたつあります。ひとつは三原城。そしてもうひとつが福山城です。
そのうち三原城は天守台と濠くらいしか遺構が残っていませんでした。
> 改札出てから1分で天守台! 備後国 三原城(広島県三原市) | ブログ桝席
http://blog.masuseki.com/?p=20754
福山城も似たようなもんだろと、根拠もなくタカをくくっていたのですが、行ってみたら思ってたより遺構や現存櫓が残ってたし、模擬天守は色々な方向から見やすいし、なかなか良かったというのがこの記事です。
三原城は天守台しか残っていませんでしたが、福山城は本丸が残っています。
ウィキペディアによれば新幹線と福塩線のホームからは模擬天守や伏見櫓が見えるとのこと。
福塩線……福山と、どこ……?(答えは広島県三次市の塩町駅)
ちなみに 16:20 に到着したので、日没までの小一時間でサクッと見て回っただけの簡単な訪問です。主要な遺構でさえ全部回り切れていません。
思ってたよりグッドな城だったので、いつか再訪問するとは思うのですが。今回は模擬天守にも上がりませんでしたし。
古写真があるので外観はそれなりに忠実な再現なのだろうと思います。
福山城は明石城と同じく、豊臣滅亡後に一国一城令の例外的に新造された城です。
慶長の築城ブームの最後尾あたりの城。
近世城郭の到達点のひとつですね。
櫓門が残ってないからこの角度で天守が見えるという、いたしかゆし的な。
この本丸がですね、広さもなかなかだし都市の城址公園にしては樹木も少なくて良かったのですよ。
本丸のどの方向からも模擬天守が見えて。
周辺にタワマンがぽつぽつ建ってて、これ地元でも景観について紛糾してるみたいですけど、まぁ、しゃーないなと思います。
大垣城みたくビルに囲まれちゃってるのもどうかとは思いますけど。
でも地元の人々の生活が優先ですからね。
人間は増えるし土地は有限なら上と下に伸ばすしかないのは、も、しゃーない。
日没前で光線の関係で、写真じゃ鉄板がよくわかんなくなってますが。
五千石蔵跡のあたり。向こうに神社とか見えるけど今回は時間が無いのでパス。。
本丸の中心に天守があって樹木も少なくて、どの方向からも見やすくて良い。
模擬天守だから、そこまで熱心にならなくてもいいんだけど。それよりは現存遺構を見ろって話なんだけど。でもまあいいじゃないですか。ベタがいちばん。模擬でも天守にラブ!
天守礎石は移設の際に180度回転させたと説明版にありました。。
「なんのためにわざわざ180度回転させたん?」
「そもそも回転させても同じじゃね?」
というふたつの疑問がふつふつとふつふつと。。
これは「福山とんど」という風習でした。「とんど」は地方によっては「どんど」とも呼ばれるアレ。要するに小正月のお焚き上げです。私の出身地の宮崎市ではあんまりやってなかったような気がしますが、それは都市化のせいかも。でも少しは残ってましたね、どんど焼き。
福山ではお城が完成したときに焼く前の「とんど」の頂に飾り物をのせて町中を練り歩いてお祝いしたのをきっかけに、毎年の行事になったようです。 特に鶴と亀の意匠のものを殿様がお褒めになったので、このデザインは連綿と受け継がれているのだとか。
ほかの意匠の「とんど」もあります。みんなちがってみんないい。
天守も八方よしなんですけどね……と思いながら撮ってた私。
鐘櫓。現存櫓です。いまでも一日四回、鐘を鳴らして朝昼宵晩を告げているのだとか。素敵やん。
伏見櫓。現存櫓で、かつ伏見城から移築されたことがハッキリしている唯一の櫓。国重文。
不勉強ながら福山城にそんなのがあるとは知りませんでした。次に来るときは余裕をもってじっくり見よう。
筋鉄御門。現存櫓門です。国重文。「たぶん復元やろ…」と思ってたのでびっくりしました。
月見櫓。外観復元。優美な名前がついてますが本丸の防衛上、重要な櫓。
ああ、日が暮れる…模擬天守に上がってないのに…(16:20 到着だったので最初から切ってた)。
夕焼けバフのおかげで、画質のアレなコンデジとスマホなわりには良い写真が多くなったと思います。
……と喜んでたら、こんなガラケーの写真みたいなのを撮っちゃうコンデジちゃん。く~っ(泣)
本丸は無事ですが、二の丸になるのかな?…は JR がブチ抜いてます。
まあ、本丸が残っただけでもありがたいことですわ。伏見櫓と筋鉄御門が無事で良かった。
見えるらしいです↓。そーなのかー。
> しぇるふぁさんによるJR福山駅から見る福山城の検証レポート – 攻城団ブログ — https://kojodan.jp/blog/entry/2023/02/01/180000
鉄道が通って破壊された城だと思い込んでいたんですが、実は現存遺構が多いと知ったんで、いずれしっかり計画立てて、余裕をもって再訪問したい城になりました。