近世大名は城下を迷路化なんてしなかった_バナー



[ゲーム] ONYXを目指して(2) (エミュ/小説風プレイ日記)

この記事どう? ええよ~

探索日誌『ONYXを目指して』(2)

« 日誌(1) | 日誌(3) »


onyx_03.png

「全員がレベル2になってからは、ずいぶん冒険が楽になったな。ワハハ」
とSSがでかい図体をゆすぶりながら笑った。同感だが笑うところじゃない。

地下二階で雑魚どもを蹴散らして、経験値とゴールドを稼ぐ日々が続いた。コボルドやゴブリンが15匹ほど群れをなして襲ってくるが、4~5匹蹴散らせばすぐに逃げ出していく。

時にはゴールドを置いて逃げていく。話のわかるやつだ。俺はあいつらとは仲良くやっていけそうな気がした。

だが、アンデッドはダメだ。ヤツラは死ぬまで向かってくる。不死を不死として扱っている。やばい。アンデッドやばい。

アンデッドの中でもスケルトンやグールは武器・防具を扱い、ゴールドも持っている。知能が無いわけではないと思う。しかし、逃げるという選択肢は考えられない――それが不死の代償なのだろうか。

全員がレベル4になったので、地下3回に降りてみた。さっそくMDがコブラに噛まれた。最優先で良い防具を与えているというのに。
「オ゛デだっで好ぎで噛ま゛れ゛でる゛わ゛げじゃ……」
いつにもまして割れた声で泣きごとを言いながら絶命した。

やれやれ。地上に戻り、MDをロードしなおしてやった。どこまでも足を引っ張るヤツだ。

MDに次いで足を引っ張るのがPCEだ。クリティカルを喰らいやすいMD、こまめにダメージを喰らいやすいPCEという感じか。
「Hu!死んでないんだから文句言うなよ!」
とPCE。しゃべる前にいちいち口笛を吹くのがむかつく。

コブラに悩ませられながら、しばらく地下3階で経験値稼ぎをした。4階には下りなかった。なぜなら面倒だったからだ。
「ピー!〝狂王の試練場〟でも地下6階で頑張るより地下3階でクリーピングコイン狩りをする方がおいしかったりするんだよな」
と知ったかぶりの豆知識を披露するDC。他のメンバーは誰も聞いてなかった。いや、聞こえないフリをしているのか。俺はDCと仲良くやっていけそうな気がした。

MD以外のメンバーがレベル6になったので、思い切ってクラーケン戦に挑んでみた。
「ぜがぁぁっ!!」
まっさきにMDが死んだ。一撃だった。
「Hu……」
次にPCEがやられた。これも一撃だった。どこまでも足を引っ張るやつらだ。

仲間を二人殺されたが、なんとかクラーケンを倒すことが出来た。期待したほどには経験値が入らなかった。もっと美味しいモンスターだと記憶していたのだが。記憶が美化されていたようだ。

 

onyx_04.png

MDとPCEが死んだのは運が悪かったからなのだろう。

その後、何度かクラーケンを退治したが、レベルが上がったわけでもないのに誰も死ななかった。全員がブロードソードを装備してからは、完全にカモと化した。

「クラーケンを倒せるようになったら、冒険も折り返し地点だ。明日以降にそなえて、ゆっくり休もう」
と俺は仲間に言った。

その夜、MDは宿を抜け出し一人で墓地に修行に行った。 あいつなりに気にしていたのだろう。

– (日誌2・完。もうちょっと続くかも)-


« 日誌(1) | 日誌(3) »

『蘇るPC-8801伝説』

ad_image
  • アスキー書籍編集部 編
  • 出版:アスキー
  • 税込価格 : ¥2,940 (本体 : ¥2,800)

Amazonで詳しく見る | bk1で詳しく見る


.

ここはシェアと拡散の店だ。どんな用だい?

さっそくフォローしていくかい?

桝田道也の電子書籍・写真・フォントその他が月額100円で読み放題!
ダウンロードし放題!ほめ殺しし放題!
あなたも支援者になって桝田道也ほめてほめてほめまくりませんか?
桝田道也の pixivFANBOX 『オニオンおにぎり』

桝田道也の電子書籍・写真・フォントその他が月額100円で読み放題!ダウンロードし放題!ほめ殺しし放題!あなたも支援者になって桝田道也ほめてほめてほめまくりませんか?――桝田道也のpixivFANBOX『オニオンにぎり』

このブログを書いた人間/サイト管理者

桝田道也(ますだみちや)
桝田道也(画像)