中村彝アトリエ記念館はいいぞ
このエントリは、たまたま新宿区下落合をブラブラしてて、
「へえ、こんなものがあるのか」
と思って入ってみたら、非常に、非常に、とっても良かったという話である。
他のスポットと抱き合わせではない、単独エントリということで私の推しを感じ取っていただきたい。
訪問から2年が過ぎたが、この日の感動はまだ色あせていない。いまなお、写真を見返すと余韻にひたれる。
ただし、それほど感動できたのも、私が今まで、歴史的な有名画家のアトリエを見たことがなく、これ以後も特に見ていないからという特殊な事情のせいかもしれないことは、一応のべておこう。
中村彝《つね》。絵を描く人間のはしくれとして恥ずかしいかぎりだが、この日、訪問するまで私は名前を存じていなかった。大正期に活躍した画家で、肺結核のため 37 歳で亡くなった。
>中村彝 – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E6%9D%91%E5%BD%9D
名前は知らなかったが、ふたつかみっつくらいの作品には、見覚えはあった。教科書かなんかで見たのかなあ、程度に。
そんなレベルだったから、入場料が無料じゃなかったら、足を踏み入れなかったかもしれない。
>新宿区立中村彝アトリエ記念館-新宿歴史博物館
http://www.regasu-shinjuku.or.jp/rekihaku/tsune/40357/
このドアノブの味わいに、ちょっといいな…とやや好印象を持って中に入った。
このシンプルな椅子!!!欲しい!このデザインで欲しい!自分で作れそう?そうかも!!!
あー、やばい。たまらない。これはいけない。 高校生だったころの美術室とか浪人してたころの美術予備校とか大学生のころの美術棟とか、記憶がフラッシュバックしまくり。あうあう。あうあう。
うらやましいいいいい。俺もマイアトリエ建てたいよおおおおおおお。
この日は、ほかに用事があったからゆっくりできずに、一通り見て退散したけど、できることなら、だらだらうだうだしたかった。
アトリエを建ててから亡くなるまでの彝の身の回りの世話をした岡崎きいの休憩室。
明治は遠くなりにけりだなんだかんだいっても、まだ大正時代。畳の部屋がなくては落ち着かないという岡崎きいの希望で作られた休憩室なのだそうな。わかる。
この三畳の和室が、このアトリエをさらに魅力的なものにしている。
昇降機。そう、この施設、バリアフリーで、車いすのまま見学できるのだ。やるじゃん新宿区。
というわけで、ほかに歴史的アトリエを見て回ってないから比較とかできない私だけど、とにかくすごく良かったので、機会があったらぜひ、と強くおすすめする。
なお、同じく新宿区落合には新宿区立佐伯祐三アトリエ記念館-新宿歴史博物館がある。
佐伯祐三なら、いかにファインアートに疎い私でも知ってるし、そんなものがあるなら、いずれ行かねばと中村彝アトリエ記念館を訪問した日に思ったものだが、それっきり、下落合に行く用事が無くて訪問を果たせていない。
今週末にでも行ってみようか。芸術の秋だしな。