上野の森美術館『アートで候 会田誠・山口晃 展』
> それぞれの学生時代の作品にはじまり、90年代以降の代表作、そして本展のために描かれた新作まで、絵画、立体、映像を合わせ約70点で構成
- http://www.ueno-mori.org/special/aida_yamaguchi/index.html
- 2007 年5月 20 日(土)~ 6月 19 日(火)
- 一般/1,000(800)円 大学・専門・高校/800(600)円 中学生以下無料
最高。満足。満喫。至福。
入場料の千円に対してお釣りが来るほど楽しめました。 二千円でも惜しくないと思えるほど。
とはいえ二千円だったら、そもそも見に行かなかったでしょうけど(そんなもんだ)
「ミュータント花子」(→Google イメージ検索) や 「戦争画Returns」(Google イメージ検索) で知られる会田誠と モーニング25周記念号の表紙や「不思議な少年」でのコラボ表紙で、モーニング読者には馴染み深い山口晃の両氏 – いわゆる〝こたつ派〟 – の学生時代の作品および近作・約70点による二人展。
「アートで候」というタイトルはどうだろう?なにその産経センス?という気がしないでもないけど、 上野に来たおじいちゃんおばあちゃん達が何も知らずに会田誠のロリグロ絵を見て卒倒しちゃう可能性もあるからなあ。
あらかじめ
「これはアートでやってるんですよ」
という信号を点滅させておくのはしかたのないことかも。
会場は1階が学生時代(’90 ~ ’95 頃)の作品で、二階が 2000 年以降の近作。
私の好きな「design」(会田誠)が無かったのは残念。
実は両氏の作品とも画集や雑誌の紹介記事でしか見たことなく、本物を見るのはこれが初めて(先日のコミティアにあった、モーニング25周年記念表紙は、たしか複製原画だったような……?)。
どちらも、作品が大きいんですよね。100号、200号以上の作品だらけ。
だもんで、画集では気づかなかった発見もあったりして楽しかったです(気づかなかったのは見方がヌルいとも言えますが)。
(C) 会田誠
たとえば「無題(通称:電信柱)」(会田誠)という作品。
これ、実は電信柱の上の方にセミの抜け殻が描いてあるんです。
画集ではちいさくてよくわからないので、現物で確認してニヤニヤしてるうちに気づいたんですけど、右側の足場ボルトにだけボルト穴が描かれてたんですね。
画集で作者が
「思想的にはとても純度の高い日本画」
と述べていたのが、なんとなくわかるような気がしました。
うん。こういうことがあるから、展覧会に足を運んで本物を見るのも悪くない。
特に良かったやつ
「ヴィトン」会田誠。会場でこらえきれず笑ってしまった。すげぇくっだらねえ(誉めてます)。
「ラグランジェポイント」山口晃。おもわず心の中で
「五万人だ!!」
と、つぶやきました。
「携行折畳式喫茶室」山口晃
(C) 山口晃
こんなん見せられたら中を覗いて、古織になりきって
「極渋……」
とか言っちゃいますよ。そりゃ言うってもんです。
図録の写真には写ってませんけど、中の炉がまた渋いんですよ、コレ。
図録について
大きい作品が多く、作品点数が70点と少ないためかページ数も少ないB5ペーパーバック1400円。
私の望む〝値段が手ごろで大きすぎずハードカバー(読みづらい)ではない〟をすべてみたす、素敵図録だったのでもちろん買いました。
ただし、購入後に気が付きましたが「あぜ道」(会田誠)の図版が左右逆に印刷されてますね。
図録にお詫びの紙片が挟まってないところを見ると、誰も気づいてないのでしょうか?誰も指摘してない?