流行ってるらしいので私家版十大小説をば
私家版十大小説 – after game over
http://d.hatena.ne.jp/idiotape/20071020/1192873365
そんなもん書いたら自分がいかに小説を読んでないかがバレてしまう自虐エントリではないかと思いつつ、やはり楽しいので書いてしまう。
俺基準で選び、誰にも文句は言わせず、優劣をつける。なんて楽しい作業だろう。
十選に優劣は無し。以下、初読の時系列順。
ガルガンチュワ物語
初読は小学館の『少年少女世界の名作文学』(たしか30巻版)のフランス編収録のもの。
飽きるほど読み返した。飽きなかった。パンタグリュエル編はイマイチで、3回くらいしか読み返さなかった。一作目を超える続編無し、を最初に学んだ例か(※これはもしかすると記憶違いで、小学館の『少年少女世界の名作文学』(30巻版)には、そもそも年少向けにガルガンチュワ物語の抄訳版だけだった可能性があります。パンタグリュエル編の悪印象は中高生の時の、子供向けじゃない訳のを期待して読み始めたがつまらなさに挫折したという記憶が混ざっているのかも)。
最後に読み返してから、そろそろ二十年くらい経つ。思い出美化ポイントがプラスされているのかもしれない。
ようこそ地球さん
私の一番好きな短編『処刑』が収録されているから。『鍵』も捨てがたいけど『処刑』の乾いたテイストが好きなので。 去年か一昨年に買いなおした。
山の上の交響曲
兄の本棚にあったのを借りて読んだのが初読。2000 年に増刷されたときに買いなおした。センス オブ ワンダー。それに尽きる。
悪魔の機械
ジーターは、これと Dr.アダーしか読んでない。これも兄から借りて読んで、あとで自分で買いなおしたやつ……と思っていたのだけど、my 書架にみつからない。あれれ?
何度か読み返した記憶があるんだけどな。
解説にとにかく読んでみてとしか言いようがない
という旨の一文があったと記憶している。まさにそういう本。悪趣味で愉快で壮大で愛が地球を救うゴシックホラーでスチームパンクなハチャハチャSF。
ゴルディアスの結び目
父の本棚か、兄の本棚にあった本だ。どっちにしろパチッて、いまは私の手元にある。どっちにしろ、ごめんなさい。
地球の長い午後
後半、グダグダなんですけどね。とにかく描写された世界に想像を掻き立てられてしかたがない。
圧倒的な世界観の前に物語の不備など、どうでもよくなってしまっている。
絵を描く人間として、この世界を自分の手で具現化してみたいという欲求に逆らうのは難しい。
逆らえなかった人もチラホラいるような……
スラップスティック
つーか、『スローターハウス5』読んでない(ひょっとしたら読んだかもしれないが、思い出せない)
『スラップスティック』は何年かに一度は読み返す。後半グダグダだけど、何度も読み返してるとそれがまた良いような気がしてくる。
宇宙船ビーグル号の冒険
私が持ってるのはハヤカワの浅倉久志/訳のやつなんですが、Amazon に無いですね(2007/10/24 現在)。まあいいか。
超古典。超有名。堂々と挙げるぜ。
読者を煙に巻くハッタリ嘘理論が面白い。何度読んでも面白い。何度も読み返している。
都市
これまた超古典。年寄り臭い十選だ。懐古厨か。
いろんなゲームやマンガやアニメや映画にパクられた、〝主人の帰りを何十年・何百年・何千年と待ちつづけるロボット〟の大元がこれだと思うのだけど。
後半が難解で、何度も読み返してるけど、ちゃんと理解できたことはない。でも読み返してしまう。
祈りの海
最初に読んだイーガン作品なので、イーガン初体験の衝撃とセット評価。図書館で借りて読んで、あとで買いなおした。
個人的には「貸金庫」が衝撃的すぎた。読後、しばらく呆然とした。
こんなもんですかねえ。
十選って難しいですね。五選だろうと二十選だろうと同様に難しいと思うけど。
『スローターハウス5』を挙げている人が多いなあ。読まなきゃ。
つーか、小説ぜんぜん読んでないです。ここ数年は5冊/年くらい。
『少年少女世界の名作文学』全 30 巻のうち、日本編以外の 29 巻を読破した9歳のボクはどこへ行ったの?昼休みはずっと図書室で過ごしていた 10 歳のボクは?
日本編だけ挫折したのは、『路傍の石』『次郎物語』と陰鬱な滅私奉公モノだったから。
『アンナ・カレーニナ』すら気合で読破したけど、日本編はダメだった。今、読めばまた違う感想かもしれないけど、当時は
「ほかの国のは愉快で楽しい小説が多いのに、なんで日本編だけこんなくらーい話なの?日本の小説って明るい話は無いの?」
などと思った。
もっとも読んだはずの『アンナ・カレーニナ』も、内容はまったく思い出せないんですけどね。