『宇宙戦争』感想
レンタルDVDにて観賞。巧い。ひたすら巧い。8点(10点満点で)。
後半、地下室での探索センサーから逃げ隠れるくだりが『ジュラシックパーク』そのままだったのと、やっぱり新鮮味が無い‥‥なんというか、お仕事的にそつなくまとめた感があるので、-2点。
つくづく思ったのは、ゴジラ映画はこういう風に進化するべきだったということ。着ぐるみプロレスではなくて。
スピルバーグ版『宇宙戦争』の凄いのは、政府がほとんど出てこない点じゃないですかね?たいていの怪獣映画では〝怪獣 vs 政府〟の視点で物語が描かれるものなのだけど。
軍隊は出てくるけど、徹底して現場レベルの描写であって、本部でデンと構える司令官なんてものは一切出てこない。
観客が共感できる身近なレベルまで引き下げるために、物語から〝火星 vs 地球〟というメタ視点な描写を取り除く、その思い切りの良さが凄い。
『マーズ・アタック! 』は実は正統派?
『宇宙戦争』を見て、『マーズ・アタック! 』を思い出した。
それまで、『マーズ・アタック! 』は(いい意味で)キワモノ映画だと思っていたのだけど、考えてみれば
・火星人来襲
↓
・地球人、歯が立たず
↓
・火星人が思いがけない理由(地球人視点ではくだらない理由)で敗北
‥‥という、実にまっとうにウェルズの『宇宙戦争』を踏襲した作りだったのだな、と。
クリーチャーとか原作とか
よく言われてるけど、火星人のデザインはたしかにガッカリな感じだった。ありきたり。
Amazonの書評に多かったけど、原作『宇宙戦争』のオチって知らない人の方が多いのかな?私も原作は未読ですが、あらすじ……というか火星人が敗北する理由は有名だと思っていたんで。
知らなきゃ、たしかにガッカリするオチかも。原作は100年以上前のSFだから、現代から見れば考証的に穴だらけだし。
というか、さすがに有名すぎるからオチを変えているんではないかと思ってた>スピルバーグ版。
基本的には原作通りでした。