『スパイダーマン2』 感想
敵はDr.オクトパス!
八本足生物最強の座を賭けて、クモとタコが今、闘う……
って、勝手なキャッチコピーを考えてみた。
以下、感想。ネタバレ有り注意。
面白さで言えば前作比1.5倍くらい。特に格闘シーンの面白さは筆舌に尽くしがたい。個人的にはマトリックス以降の映画の中で一番良いバトルだった。
バトルが面白いのは敵役にDr.オクトパスを選んだ企画者の勝利。
ただ飛びながら爆弾をばらまくしか能が無かった前作の敵・グリーンゴブリンより面白いのは当然だけど。
メカ触手っつー、B級ホラーSF定番のアイテムだけにB級ホラー映画の雄・サムライミ監督のメガホンが冴えまくり。それだけでも十分怖オモシロイのに、
- 触手を生かした移動・攻撃・防御の映像としての新鮮さ
- 遠距離・近距離戦に強いスパイダーマンと中距離戦に強いDr.オクトパスの組み合わせの妙
が活きまくりで、超人モノ系映画のベストバウトと言いたくなるくらい。
3以降でベノムやカーネイジが出てくるのだろうが、同キャラ対戦にならざるをえないベノム&カーネイジではここまで面白い戦闘にはならないのではないか?と3以降が心配になる(リザードやエレクトロは能力的に面白いバトルが期待できないし)出来栄えだった。
特に中盤の祖母救出戦が白眉。観ながらここまでカラダが動きそうになったのは未来少年コナン・ギガント編以来だ。
科学考証的には穴だらけだけど、しょせん〝放射能を浴びたクモに噛まれたらクモ男になちゃったマンガ〟の映画だから。ツッコムだけ野暮。
ところが科学考証はぞんざいでも、心理描写はきめこまやか。
ピーターも前作とくらべると〝オクテの高校生〟から〝オクテの大学生〟に、やんわり成長してるし。
クモ糸が機械でなくピーターが自ら射出しているとした映画版の設定が活きてきたのも良かったような。ピーターの闘争心が落ちるとクモ糸が出なくなるってのは中々イカス。
とりあえず、3作目にも期待。
バトル的には2に劣る可能性が大ながら、親友/父親の仇/恩師の息子/元カレ/現カレという複雑な関係に決着のつく、ストーリー的には最も大事な部分が描かれるはずなので。