やっぱりタイムトラベルものはもやもやが残る


『犬は勘定に入れません』 読了。おもしろかった~。

作者は資料魔神だな。作中に出てくるレイディ・シュラプネルと彼女の口癖「いかに神は細部に宿りたまうか」「ひとつのこらず石をひっくり返して」は、作者の一面を自嘲したものなんじゃなかろうか。

しかし、やっぱりタイムトラベルものはもやもやが残るね。 読んでもやもやした気分にならないタイムトラベル物は存在しないということが、 だんだんわかってきた。

“分岐”を無制限に許可してしまうと、なんでもやり放題になって、せっかくの
「らめぇ歴史が変わっちゃうよぉぉ」
なハラハラドキドキ感が失われてしまう。

“分岐”が起こらない・制限がある・分岐が起きても時空が矛盾を修復してしまう…… だと運命論的で悲しい。
だいたい歴史なんてのは人間の見出した価値観でしかなくて分子一個レベルの矛盾も親殺しレベルの矛盾も物理的に見て、パラドックスとしては等価だと思うんだよね。
そこを読者の寛容に頼らずクリアできてるタイムトラベル理論は、少なくとも私は読んだことが無い。

でも魅力的なテーマだよなー。タイムトラベルもの。

星新一氏が駆け出しのころ
「SF作家には得意ジャンルが必要だ。あなたはタイムトラベルものにしなさい」
とアドバイスされたものの、“魅力的過ぎる両刃の剣だと思って”避けたと言ってますね。 よくわかる。

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桝田道也(ますだみちや)
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