板橋区 四葉に大きな桶は今でもあるか?
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- [東京都] [母] 板橋区 四葉に大きな桶がいまでもあるかどうか (2008.5.9)
- 投稿者
- 林 雄司 さん
- どんなところ?
- 昭和24~25年ごろ、四葉は畑が多く、たくあんを漬けている大きな桶がある農家があったそうです。私の母がその桶がいまでもあるかどうかと言っておりました。お近くのかた、見てきてもらえたら嬉しいです。
http://portal.nifty.com/cs/mitekite/detail/080509063749/1.htm
というわけで、四葉は比較的近所なので、今でも使われている漬物用大桶があるかどうか、探してみました。
畑はまだけっこうある。が……
着きました。さすがに一面の畑というわけではないけど、 けっこう畑は残ってました。が、
かなり回って、四葉を越えて周辺の赤塚や徳丸なども見て回ったんですが、たくあんを漬けるために今も使われてる大桶は、さっぱり見つかりません。
もちろん、今がたくあんを仕込む時期ではないというのもありますが。
そもそも、大根がそんなに植えられていない。今、この辺ではサトイモやブロッコリが人気のようでした。
成長前の冬瓜がこんなにフサフサだとは知らなかった。
これは木の桶ではあるけど、園芸用プランターだ。
ちがう、これは桶じゃなくて籠。
大きくはないけど、これはおそらく桶のフタの可能性が高い。
こんなのが探してるものにいちばん近かった写真。
……もしかすると糞壷のフタだったものかもしれませんが。
結論:今も使われている漬物用の大桶は見つかりませんでした。
今、使われてない大桶なら?
――そう、何度も「今も使われてる大桶」という回りくどい書き方をしたのは、 「使われてない大桶」ならあるのを知ってたから。
それは四葉から 1km ほどしか離れていない、板橋区郷土資料館内の古民家園にあります。
これだ。
とうご
ちなみに私の身長が(四捨五入して) 170cm。 五尺五寸~六尺桶といったところでしょうか。
インクがところどころ消えてて、読みづらいので全文引用してみます。
漬物樽(つけものだる = とうご)
沢庵漬け用の大樽である。 板橋区や練馬区は、江戸時代から練馬大根の生産地として有名で、大半は漬物として年間を通じて重宝された。 ここにある木製の漬物用大樽は、板橋区大門の漬物商が使用していたもので、別名「とうご」と呼んでいる。 この樽で大根4千本以上が入る。
このような大樽は、最初酒造用に用いられ、次に味噌・醤油と経て、最後に漬物用となった。 100年間は持つといわれ、ときどき竹のタガを取り替えた。 樽の値段は、昭和10年代で新品200円、昭和40年頃の中古の樽では5~10万円であったという。
板橋区大門 本橋金平氏寄贈
昭和 40 年とくらべて現在(平成 21 年)の消費者物価は約4倍だそうです(→昭和40年の1万円を、今のお金に換算するとどの位になりますか?:日本銀行
)。だとすると、今では中古で 20 ~ 40 万くらいの価値があるんでしょうか。持ってる人がいたとしても、畑に置いたりせずに大事にしまっていそうです。
雨水対策でしょう、桶には金属蓋がしてあって、少々残念でした。
竹のタガは朽ちるがままという状態でした。もう修繕できる職人がいないか、いても修繕費用がかさむのかもしれません。
朽ちた竹のタガとセミの抜け殻。侘び寂び?
これは三年前、2006 年に撮った写真。この頃は右の樽の下のタガが、まだ3本残ってたんですな。
大きな釜も
すぐ近くに、大きな釜もありました。
醤油醸造用の釜だそうです。
結び。畑には無かったけど博物館にはあった。
板橋区立郷土資料館にあるのはわかっていたので、ほんとはそっちを先に写真に撮ったのですが。
小さな樽でもいい、ポリバケツでもいいから、実際に畑に漬物用の樽が置かれているのを発見したかったですね。 でも、季節が漬物を仕込む時期じゃなかった。
季節が冬だったとしても、いまどきたくあんを生産してる農家って、この辺にあるのかどうか…… 自分の家で食べる分くらいは作ってるかもしれませんけど……
元は畑だったのかな~と思わせる空き地。なごみました。