大変!!この漫画面白すぎかも… ☆★『とらせず虎三郎』
コミック乱 2009 年一月号(2008-11-27 発売号)に掲載されました。 米百俵の逸話で有名な小林虎三郎を主題にした読みきりギャグです。 米百表の精神で痛みをこらえて読んでください。
最初のネームでは 1618 ページ目でオチでした。
ソースは失念したのだけど、虎三郎の理念である〝人を育てれば国が潤う〟の国とは日本ではなく藩や令制における国を指していたと何かの本で読んだ。
「食えないからこそ、学校を建て、人物を養成するのだ」
という言葉の〝食えないから〟の主語も日本ではなく、長岡藩のことであろう。
明治二年。倒幕に参加した薩摩や長州の藩士たちでさえ、まさか2年もしないうちに薩摩や長州という〝国〟が消えるとは思ってない時代だ。
このころにはすでに統一国家としての日本および日本人という意識を下々の者でも持っていて、 江戸留学をして学んだ虎三郎も当然、マクロの視点から日本というものを考えていたはずではあるのだけど。
それでも、侍は己の主君とその土地に尽くすのが第一義だった時代だから。拙者は日本人であるまえに△△藩士でござるとかなんとかかんとか。
そう考えると前述の虎三郎評もあながち偏ってるわけでもなさそうだし、じゃあ……ってんで出来たのがこの話。
でも、
「せっかくの偉人を、わざわざスケールの小さい人物として描くのはどうか」
という担当氏の意見は至極もっともだと思ったので、考えあぐねたすえ、フォローするエピソードを添えて、ああなりました。
3ページ目の地図
何も考えずに、ただ
「長岡ってどこだっけ?」
という読者のために新潟県の地図を使ったんだけど、
あの描きかたじゃ長岡藩の範囲=新潟県、と誤解されてしまうかも。マズった。
ふるさと創生金
このギャグを入れたら、ふるさと創生金を宝くじにツッコんだ自治体が長岡だと誤解されるかなーと思ったけど、他に良い案も思い浮かばず、そのまま。
ちなみに長岡市への一億円は虎三郎たちの銅像になりました。
それを踏まえた代案を一応、考えたものの、この群像の存在を知ってなきゃ成立しないネタはちょっと苦しい……ってことで、あえなく没。
米俵
パロディの解説をするほど野暮なものはないのだけど、
「うちの雑誌は、この手のニュースに疎い 50 代、60 代の人も多いんですから」
と説得され、しぶしぶ下段に注釈を入れた。まー、しかたないね、こりゃ。
ヤワシカの酒
長岡藩主が始めた酒屋の名前は『柏屋』。 で、酒のカクヤスに引っ掛けて酒のカシワヤ(〝カ〟しか合ってないが(汗))。 それを戦前だから横書きも右から左へ……と描いたら、 〝ヤワシカの酒〟になってしまった。
うーん、どんな酒なんだろう?(って誰にも答えようの無い疑問を抱いたってさ……)
↓試し読みがあります。
>とらせず虎三郎 | ブログ桝席
http://www.masuseki.com/wp/?p=34