一応、俺も貼っておこう。
- 出版業界に対して読者は何ができるのか?(『歯車党日記』):https://web.archive.org/web/20041013161952/http://haguruma.2log.net/archives/blog99.html
- Re:出版業界に対して読者は何ができるのか?(『歯車党日記』):https://web.archive.org/web/20041207225042/http://haguruma.2log.net/archives/blog101.html
こういったネット評論などでのムーブメントは、いったいどれだけ実際の出版業界に影響を与えているのか? はっきり言ってしまうと「売り上げという数字に反映された場合においてのみ影響力はある」というのが結論だ。
ネットやオタク界隈などで「いま○○が熱い!」みたいな動きがあったとしよう。物作りの現場にいる作家や編集者がそれを嗅ぎつけて実際の商品に反映させることはいくらでもできるが、その前に立ちはだかるのが会社内部の売り出す側の存在だ。彼らの判断材料は基本的に数字のみだ。ムーブメントという実体のないものを嗅ぎつけることはない。自分で作品内容を見て「これは売り出せば当たる」と確信して売り込みに動くなんてこともなく、無作為抽出のアンケートのみで判断を下すだけだ。
ホームページやBLOGで自分の意見を発信することで、何かを変えられる……そんな幻想はこと商売絡みの事柄に関しては無意味に等しい。実際に商品を買ったり、アンケートハガキを出すといった、アナログな直接アピールこそが未だに一番効果的なんですよ。2ちゃんねるで作品や作家を罵倒したり訳知り顔で何かを語るぐらいなら、その労力をアンケートハガキを書いて出すという行為に注いだ方がよほど有効なのだ
まぁ、雑誌や単行本付属アンケートっつうのは
「実際に買った人=立ち読みや借り読みじゃない人」
の意見なんで重みがあるという当然の理屈です。
自演・なりすまし・複数アカウントの駆使できるネットの意見なんざ、あんましアテにならないのです。
いや、ちゃんと個人が実名だしてるアカウントの意見だって、どうだか。
私だって、よく新製品のニュースに
「欲しい!」
と書き込んだにもかかわらず、実際には買わなかったこと、すごくありますから。
したがって、編集部がまだ単行本の出てない連載を単行本化するときの判断指標は、雑誌付属のアンケートの結果ということになります。
雑誌が売れず、雑誌の赤字を単行本で回収する時代に、単行本派の意見を汲み上げづらいこのシステムは問題があるような気もしますが。しかし、ほかにアテになる指標も無く。
どこの雑誌も下位争いは数票差なので、微妙な立ち居値の作家(俺とか、俺とか、俺とかーっ)には一票が本当に重いです。頼みます(懇願)