ガブビタセブンのデザインはヤバい
(注:この文章は2005年に書かれたものです。つまりレッドブル以前の日本の栄養ドリンクのデザイン状況への言及です)
写真はサッポロ飲料『ガブビタセブン』の350cc缶。ふと、通りすがった自販機ではじめてその存在を知った。
ヤバイ。このパッケージデザインはヤバイ。だってビンが描かれてるんだもん。缶飲料なのに。
「それが何か?」
という人はけっこういるだろう。が、自分はこういうのが矛盾しているようで気になるのだ。
ビタミン飲料において重要なのは容器ではない。中身だ。果実飲料で、オレンジやリンゴが描いてあるのは当然だ。それは味を連想させ、商品の購買につながる。
ビンはどうか。ビンはしょせんビンだ。ガラスであり、容器でしかない。
ガラス容器自体に味は無い。
ガラス容器の絵を缶に描いても、消費者への訴求力は少ないと考えるのが普通のような気がする。
だが、ビタミン飲料というものは多くの人が知ってる通り、どれも似たような味で同じようなデザインのものが、これまで流通してきた。
とすれば、ビタミン飲料のビンの絵には当然、多くの人の共通認識を呼び起こす機能を持っているわけで、それをパッケージデザインに持ってきたデザイナーの意図は正しいといえる。
しかし、それでも心に釈然としないものが残らないだろうか?自分はすごく残った。
缶なのにビンの絵。缶飲料のパッケージにビン飲料の絵。ガブビタセブンよ、お前はそれでいいのか?缶飲料としての誇りはアイデンティティはどこへ消えたのか。
まー、そんなわけで、このデザインを起こしたデザイナーと、そのまま発売してしまったサッポロ飲料に畏怖と敬意を払いつつ、購入したのでした。
ちなみに、2005/5/23現在、サッポロ飲料のサイトにこの商品の情報は無かったです。
味は、デザインから連想した通りの味でした。