トートバッグをリュックのように背負えるように改造した。
上の写真の通りである。トートバッグをリュックのように背負えるように改造した。今後の私の旅行用メインバッグになる予定だ。
追記 : 2023-06-17———追記ここから//
元記事を書いて6年後に、この工夫がその後、どうだったのか簡潔に記しておきましょう。
作ってから2年くらいはよく使ってました。記事中にあるようにセカンドバッグとして使うこともあれば、1~2日の短い旅行にメインバッグ(リュック)として使うこともあり、そこそこ活躍しました。
しかしリュック用の肩ひもを外付けできるようにハトメを取り付けた結果、その部分に負荷がかかり過ぎてカバンとしての寿命が縮まりました。
また、旅行用リュックとしてかなり大きいリュックを使うようになり、サブリュックが不要になったため、ここ4年はほとんど使いませんでした。
あと、私が探していた2016年時点ではトートとリュックの2Wayはあまり見かけなかったのですが、2018頃からAmazonでたくさん見かけるようになったので、わざわざ耐久性が下がる本記事の工夫に意味はなくなっちゃったな……と思います。
——–追記ここまで
肩ひもは着脱可能。リュックのように使う必要がないときには、肩ひもを外してしまえるようにした。
既製品で、リュックのように背負うこともできるショルダーバッグ、なんてものがあるのは知っている。昔、持ってたし。が、あるにはあっても、
選択肢が少ない→色とサイズと価格と機能で希望のものは見つからない→なら作るしか。 ……という流れで、改造で自分の条件をクリアすることにした。
1 なぜトートか
昨年まで、旅行用カバンはリュックだった。数年使って愛着もあったが、底に穴が開いたので残念ながらお別れした。
そして、ここ数年の経験から、旅行用かばんは舟形トートが良いのではないか?と思うようになった。
まず、私の旅行は基本、電車だ。ママチャリのときもあるけど、この場合はカゴがあるのでカバンの種類はそれほど問題にならない。
リュックの利点は、両腕が空くところだ。難点は荷物を取り出すのが面倒な点だ。
そして、先代リュックが成仏してからずっと新しいリュックを探してたのだけど、どうも良いリュックが見つからなかった。
まず「シンプルかつ大容量のリュックが少ない。あっても高価」なのだ。
ポケットとか、ひとつあればええねん。なくてもええくらいや。使いもしないサイドポケットやら内ポケットいらんねん。なにその、すぐちぎれそうなゴム紐みたいなん。そんなすぐ破れそうなメッシュのペットボトルホルダーとか要らんし!ピッケルホルダーとか装飾でしかないなら外せや!というね。
そういうのがないシンプルなやつもあるにはあるけど、高価であるか、容量が少ないかの、どっちかだ。 でかいリュックはポケットを山ほど付けねばならないという業界のルールでもあるのか。
THE NORTH FACE も外観はシンプルだけど内ポケはてんこもりだ。だいたいあのバカでかいロゴのせいで、
「なんでわしがお前んとこの広告塔にならなあかんねん」
という気持ちが先に立つ(使ってる人には申し訳ないと思いつつ書いてます)。そもそも安くないので、最初から対象外だ。
そして、色は黒以外がよい。黒は山に登った時、蜂を警戒させてしまう色だから。しかし、リュックというものはなぜか、他の鞄よりずっと黒が多い。おそらく、アウトドアで汚れやすいものだから、汚れが目立ちにくいよう、黒を選ぶ人が多いのだろう。
というわけで、条件に合う製品が見つからないので、旅行用かばんをリュック以外で検討することにした。
公共交通で移動するなら、車輪付きキャリーバッグが人気だ。私もひとつ持っていた。
しかし、背負えないというのは、山の城などにも行く私にとっては、かなり不便であり、ほとんど使わなかった。
そして、車輪付きキャリーバッグは、車輪が壊れたら、ただの重いカバンでしかない。 私が買うような価格帯の製品は車輪交換のできるようなものじゃない。車輪が壊れただけで役に立たなくなるものを、もう一度買うか?と言われたら、騙されるのは一度で十分だ、なのであった(※別にメーカーは騙したわけじゃない。悪意のある身勝手な感想である)
というわけで、電車旅行で遠出するときには、以前はキャリーカートにリュックを載せて、とやっていた。カートの使えないような所では背負えばいい。
これは中々、合理的であり、特に駅でコインロッカーにキャリーカートと不要な荷物を放り込めば、山の城を見学してる間は両手もあいて、非常に快適だった。トレッキングステッキが必要なほどの急峻な山の城を見学するときは、両手が空いていることは重要だからだ。
また、車輪付きキャリーバッグにくらべてキャリーカートは総じてタイヤが大きいので、段差に強いという利点もあった。
しかし、このキャリーカート+リュックにも難点はある。リュックは基本、キャリーカートで運ぶことを想定してないので、固定のために引手を通すための部分もなく、リュックベルトがブラブラして車輪に巻き込まれたり、ということがあった。
ここで話を戻そう。リュックはやめる。しかしキャリーカート+バッグの合理性は引き続き使う。たくさん入って頑丈でシンプルで、荷物の出し入れがしやすいとなると、トートかボストンである。
いざというときにはリュックのように背負えるとよい。そして必要のないときはリュックベルトを外してしまえるのがいい。キャリーカートの引手を通すための部分もあるとよい(旅行用の商品として、そういう引手を通すための横ベルトのあるトートが結構ある)。ボストンは背負いにくそうだし、キャリーカートを想定してないカバンだ。
荷物の出し入れのしやすさもトートの方がボストンより上に思える。ただし巾着トート、お前はだめだ。ともあれ、トートにするとしよう。
方針は決まった。
「シンプルで頑丈そうで、そこそこの容量(40L前後)があって、安く(2,000 円以下)、黒以外の色のトートを改造して、リュックベルトをとりつけられるようにする」
である。
ちなみにリュックベルトは去年の年末に買っていて、年末旅行で車輪付きキャリーバッグを無理やり背負うのに使った。キャリーバッグというものは堅くて、背負うと感触が悪かったのも、トートにしようと決心した理由のひとつだ。
2 素材と改造
710 円(2017/04/29時点)。フックがひっかけられさえすれば、リュックのように背負えるものに変えられる便利道具だ。そして、結束バンドというマジックアイテムを使えば、たいていのものはフックをひっかけられるようになる。まったく、カンタンだ。
ちなみに写真の上のハトメは最初に肩紐を取り付けようと思った場所。背負ってみたらカバンが下がりすぎて良くなかったので、位置を変えた。ザ・無計画。
いま、フックがつながってる部分の横紐は自分で縫い付けたもの。百均のアクリル平紐。縫い付け方も雑だしハトメの高さが揃ってないし、実にどうにも情けない。この手の記事をアップする人って、もっとちゃんと作るよね。あこがれる。 この横紐はキャリーカートの引手を通すための部分でもある。
ハトメがあればフックを取り付けられるんだけど、結束バンドで輪っかを付けるとさらに着脱がラクなので、そうした。不要といえば不要。
安物だが、ちゃんと胸ベルト付き。胸ベルトがあるとないとでは、疲労が全然ちがうので、ここは譲れなかった。
既製品の「リュックのように背負うこともできるショルダーバッグ」も、胸ベルト付きのやつは見たことがない。 ショルダーバッグ、好きですけどね。荷物の出し入れしやすいし。しかし旅行用には力不足。
背負ってみた。あんまり美しくない。本来、背負うように作られてないものをムリヤリ背負ってるのだから、しょうがないか。
バッグがこの高さだと、ちょっと重心が低すぎて疲労しやすい。が、もう一度になるが、本来、背負うように作られてないものをムリヤリ背負ってるのだから、許容することにした。メインは電車旅行で、ときどき登山もあるよ、という目的のためのかばんだから。
ベルトとトートの色が合ってないのは、ベルトを買ったときはどんなトートを買うか決めておらず、このトートには水色がなかったから。
バッグの持ち手の紐は底まで回ってなかった。底まで回ってるように見えて、サイドへの縫い付けのみだった。これだと耐荷重に不安がある。そんな、トートバッグの本来の目的のように、氷を入れて運ぶようなことはないと思うが。
いずれにせよ、ショルダーベルトを取り付けるための「ハトメを開けたアクリル平紐」をバッグにとりつけねばならんので、底をぐるっと回した。
理想は縫い付けなのだけど、ちょっとやってみたら大変だったので、サイドはプラスチックのプッシュリベットで止め、底は接着剤を使った。これで耐荷重もすこしはマシになるだろう。
というわけで、だいたい 3,000 円くらいで、機能的には自分の求めるトートバッグが出来上がったという話でした。
このバッグが私の目論見通り便利かどうかは、実際に旅行に行ってみないとわかりませんが、まあ、そんなに心配してないです。 リュックがトートに変わっただけで、電車移動中は基本的に網棚なので。 背負いやすさと荷物の出し入れしやすさが、わずかにトレードされただけで、実のところ、大幅な変更ではないはず。