このエントリは
国宝四城を3日でまわる(前編)
の続きです。
(※ 2009年時点では松江城は国宝指定されておらず、現存天守が国宝の城と言えば4つでした)
大阪城
メインディッシュの姫路城を美味しくいただいて、大阪城へ。
大坂城 – Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%9D%82%E5%9F%8E
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所在地:大阪府大阪市中央区大阪城1-1
ここまではなめるように写真を撮りまくったのだけど、 デジカメのバッテリも残りがいよいよやばくなってきたので、 ここからは駆け足で見学した。
だから、見逃し多数で実にもったいないのだけど、 犬山城まで見てまわることが出来たのは、駆け足でまわったおかげでもあるので、 複雑な気分。
大阪城公園では狂い咲きの桜がチラホラ。 春の桜とは全然ちがうね!なんで?なんで? なにこの幸せ感たっぷりの写真は! で、なんで私はそれを VGA で撮ってるの?(設定を戻すのを忘れたからです)
釣り人多数。大阪城のお堀は釣りができるのかー。いい城だなぁ。
あ……。
ある意味では期待通り。もうなんか、観光客の目を楽しませるために知事が雇ってんじゃないかという気さえしてきたよ。(マナーがなってない釣りキチは大阪に限った話じゃないけどね)
石垣に使われてる石では日本一大きい「蛸石」。これだ!これが見たかった!
日本 No.2 の肥後石は見つけられなかった……orz(この辺が無計画派の問題点ですな)
うっとり。乱雑な野面積みも隙間の無い切り込み接ぎも、どっちも好きさ。土木っていいわぁ。
日本一の高石垣(約 35m )。これだ!これが見たかった!
コンクリ復元天守も登ってみましたが……。 写真に見える、調和もへったくれもない鉄骨ガラス張りのエレベータがすべてを物語ってますね。最上階からの眺めを楽しむ以外には、見るべきものはあんまり……。
三階・四階あたりだったかな?博物館コーナーになってるんだけど、 重要文化財だから撮影禁止だって。せこい。
松本城も姫路城も彦根城も犬山城も天守内で重文を展示してたけど写真撮り放題だったぞ、やい。
これが国宝とそうじゃない城の差か……。
あと、あまりにガッカリしたんで写真を撮る気にもならなかったのが 刻印石広場
刻印石は石垣の中に自分で見つけるから楽しいんであって、 こうして集められてもね。
「パンチラは嬉しいがパンモロは嬉しくない」
と死海文書にも書いてあったという。
つまり、そういうことですよ。
石垣を修理したときに外した危なくなった石のうち、刻印石はせっかくだから展示に回したってのはわかるけど……
大阪城に関しては予習も足りず、ちゃんと見られていない気がした。 いずれまた機会を見つけて、じっくり見学したい。天守はほっぽって、 石垣を。巨石を。
京都
そして、疲労でフラフラになりながら京都まで行った。 明日の彦根城に備えてだ。
さすがに風呂に入りたかったので銭湯(公衆浴場)を探したのだけど、 みつからなかった。 私が京都に住んでたゲフンゲフン年前は、もう少し銭湯があったような気がしたのだけど。 しかたなく、京都タワー地下の大浴場を利用した。
浴場内の注意書きが面白かった。曰く、「浴場内禁煙」「水風呂の栓を抜かないこと」
脱衣所内禁煙ではなく、浴場内禁煙は、なぁ。吸いながらだと頭洗うの大変だろうに(洗わないのか?)。番台の人に聞いてみたら
「いはるんですよ、そういう人が~」
とのこと。
水風呂の栓を抜く人のことは聞かなかったけど、やっぱりいはるんでしょうな。そういう人が。誰得。
そのあと、ネカフェで一泊。6時間ナイトパック。 同系列チェーンの店舗ながら姫路のネカフェより寝やすい席で、だいぶ回復した。
足が、猛烈に臭いはじめていた。
【京都】 賀茂川だ なるほど鴨が 鳴いている
↑ 疲労で頭が働いてなかったことがよくわかる句だと思う。
twitter.com/mitimasu から転載
Thu, Oct 15
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三日目
彦根城
【眼福耳福】 日本晴れ トンビ・カッコウ 彦根城
ネカフェで起床。足首が痛くて 10cm ずつくらいしか歩けない。 よくほぐして、ようやくヨロヨロながらも普通の歩幅で歩けるように。限界だと思った。
ここからはデジカメのバッテリ節約のため、どうしても撮らなくてはというものに絞ったので写真が少ない。おまけに犬山城も回って東京まで戻るつもりだったから、スルーした部分も多数。
8時頃、彦根に到着。むろん、まだ開城してない。 城下をブラブラと散歩。
国宝・彦根城築城400年祭公式サイト:イベントやひこにゃん情報
http://www.hikone-400th.jp/
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所在地:滋賀県彦根市金亀町1-1
彦根城は、とにかく城山が素晴らしかった。 佐和口多門櫓を過ぎて搦手《からめて》の方へ向かうと、樹木と陣屋と櫓で街並みが隠れてしまい、 アスファルトと照明設備くらいしか現代を感じさせるものが無くなり、 タイムスリップしたような感覚を覚えた。
そうこうしているうちに門が開いた。まだ10時前だったのだけど、 入ってもいいらしかったので入城料を支払い、黒門(搦手)の方から入ってしまった。
搦手っていうのは城の裏門のことです。正門は大手門と言います。大手町とか、聞いたことがあると思います。
正門である大手と違って搦手は少ない手勢で守れるように、攻めにくい場所につくられます。 山の傾斜が険しい部分とか。
そっちから入城してしまったわけです。疲労の極まった体には辛かった!
しかし、空は雲ひとつ無い日本晴れ。 とんびが鳴いているなー、と思ったら遠くからかすかに聞こえるカッコウの鳴き声。 ところどころに紅葉。 登りきったら白くて可愛らしい天守が目の前に。
人間、感動すると一時的にせよ疲労とか体の痛みとか忘れてしまうんですな。 いや、良かった。うちふるえた。
ちょうどそのあたりで 10 時。開城を知らせる太鼓が
「ドーン!ドーン!ドーン!」
と鳴り響いた。よけいなアナウンスは一切無し。
すばらしい。わかっていらっしゃる。
お城というものには、敵の襲撃などを知らせる太鼓や銅鑼のための櫓があるもの。 だから太鼓を鳴らすのは実に理にかなっている。
『春の海』をスピーカーから流していた姫路城はひこにゃんの爪の垢を煎じて飲むべきだと思いましたよ。
天守最上階は天井のないタイプ。 こういう曲がった丸太を梁に使うのは見た目の美しさのためかと誤解してたんですが、 反りを無理矢理組み込むことで反発し合う力をうまく利用して重量を支える日本建築の知恵だとかなんとか……すいません、やっぱ、よくわかってません。
琵琶湖どーん。
金網どーん。……。
縄張りが面白い。 姫路城の縄張りが人間の知恵をつぎ込みまくったゴージャスな面白さだとすれば、 彦根城の縄張りは地形を巧く生かしたエレガントな面白さ。
こっちが大手門(たぶん)。お堀の水の色は国宝四城の中で一番好き。
たったこれだけ見て、後ろ髪引かれる思いで彦根城をあとにした。 西の丸も玄宮楽々園もスルー。あああ。
いつかまた来るぞー。
ところで、ひこにゃんは思ったほどでしゃばってなかった。ポスターとかみやげ物屋で見たくらい。
全体的に気品がありましたね>彦根。洗練されてた。
世界遺産入りを目指してるみたいだけど、どうかなぁ。 もし世界遺産に選ばれたら、外国人観光客向けに『春の海』を流すようなこともしなきゃならなくなったりするんじゃないかなぁ。
現状がすばらしいだけに、あんまり観光地化してほしくない……ていうのは、勝手な言い草なんだろうな。……むつかしいなぁ……