任天堂、米国の3DS『すれちがい通信』難民救済に中継所を導入。2万9000か所のWiFiスポットで預かり
– Engadget Japanese
http://japanese.engadget.com/2013/07/21/3ds-wifi/
これを読んで、
「おお、モノリス」
と思ってしまった。
この宇宙に知的生命体がいたとして、彼らが運良く地球の近くへ来たとしても。
宇宙が誕生してから現在までの長さと、人間の文明が誕生してから現代までの短さを比較すると、知的生命体同士が出会える可能性はきわめて低い。
ならば、訪問者は訪れた先に文明が誕生する可能性があれば、文明が誕生したとき信号を送る機械を残して、去っていったはずだ……ってぇのが『前哨』『2001 年』のアイデアの根幹だったはず(オレオレ理解)
だから、動物園仮説 – Wikipedia に『2001 年~』を入れちゃうのは微妙に違うと思うんだけどな。まぁ、いいか。
いまだったら、信号なんてめんどくせえ手段をとらずに、仮想化された自分たちの複製をコンテナとして置いていけよ>宇宙人って思っちゃうけど。イーガン以後の感覚ですかそうですか。
んで、これを踏まえて、最初のニュース。
つまりは、アメリカって国は国土が広くて人口密度が低い地域が少なくない。そういう場所では、なかなかすれ違うこと自体が難しい。じゃあ、中継所を設置しよう……ということですな。
この、アメリカにおける「広い国土のために中々すれ違えられない……そうだ痕跡を残そう」
ってノリが『前哨』や『2001 年~』を生んだのだと推測するとおもしろい。
合衆国建国以後、アメリカン・インディアンやその子孫はの多くはホームレスや日雇い労働者となって町から町へと移動してたという。それで、あとから町へ来る仲間のために切り株や町の入り口にシンボルマークを残しておいたらしい。(アメリカ・インディアンは文字をもたなかった)
曰く、「保安官に注意」だの「吠える犬がいる」だの、そういう警告のシンボルマークだ。
……て話を昔なにかで読んだような気がするが、もう、うろ覚え。なんとかサインって名称もあったような気がするけど。
いやまてよ、アメリカインディアンじゃなくてジプシーかロマだったかも……?って不安になるくらい、うろ覚えですが。
……で、アメリカインディアンの文化だとして。そういう風習とかが『前哨』『2001 年~』のヒントになったのかもしれないなぁ、と思うわけです。
未来に思いを馳せるSFも土台となるのは作家が生まれ育った時代や場所に基づく経験や知識だ。
クラークは 1968 に書いた『2001 年~』で、新聞社のチャンネルにポータブルコンピュータでアクセスして電子化された新聞を読むというほぼ正確な未来予測を書いているのだけど、悲しいかな、
「博士は新聞社の番号を暗記しているのでコンピュータの裏に貼った番号のメモを見るまでもなかった」
……とかいう描写があった(※注 うろ覚え。原文を正確に引用したものではない)。
天才・クラークでさえ、PCとウェブサイトの関係を、電話と電話番号の延長として考えるしかできなかったのだなあ……いや、当時それが予測できただけでもすさまじいんだけどさ。
そういえば、都市が消えて、人々がめったに「すれちがわない」未来を書いた『都市』のクリフォード・D・シマックも『中継ステーション』なんて作品を書いてましたな(持ってるけど、どんな話だったかおぼろげにしか思い出せない)
未来に思いを馳せるSFも過去を舞台に歴史を描く時代劇も、作家が生まれ育った環境が切れども払えぬ呪縛になる。