私はドラゴンフルーツの皮はいつだって野菜炒め
最近、ドラゴンフルーツの皮を茹でてわさび醤油で食べたらマグロ、という言説をたびたび目にしてイライラしてるので、ついカッとなって記事を書きました。なりません。それはわさび醤油味のドラゴンフルーツの皮です。
イライラするのでリンクも張らない。
> ドラゴンフルーツの皮を茹でるとまるでマグロの味わい、実際に確かめてみた | 秒刊SUNDAY https://yukawanet.com/archives/dragon20210928.html
> ドラゴンフルーツの皮が想像以上にマグロすぎる :: デイリーポータルZ https://dailyportalz.jp/kiji/dragon-fruit-skin-is-tuna
これから先もバズを狙うネットメディアは「盛って」くるでしょうが、良識のある皆様にはひとつの原則を覚えてもらいたいと思います。
動物エキスで味付けしないかぎり、植物が動物の味になることはありません。
動物と植物は根本的にうまみの質がちがうものなのです。
アボカドはトロにはなりません。脂っこさが似てるだけで、あんな青臭いトロはいません。バターにもなりません。あんな青臭いバターはありません。
エリンギは適切に煮れば、歯ごたえと見た目はアワビそっくりになりますが、歯ごたえと見た目だけです。貝肉のうまみはありません。
トンブリは畑のキャビアと呼ばれますが、これも見た目と食感が似ているだけで、卵のうまみはありません。
大豆ミートは動物性エキスと濃い味つけでごまかしてるだけで、味付けがなかったら高野豆腐のバリエーションです。
かつてdpzの「納豆を一万回混ぜる」では、一万回混ぜるとカニミソの味になると書いていました。私はこの記事を読んだときに、
「ミキサーをつかえばいいんじゃないの?」
と思いましたが、使った後で洗うのがめんどうそうなので、ずっと試してきませんでした。
で、ついこないだ、ようやく試しました。はたして味の感想は
「ふつーに、納豆をペーストにした味。それ以上でもそれ以下でもない。カニミソではない」
でした。
よく覚えておいてください。動物の味を足さずに、植物が動物の味になることはありません。そんなドリームはありません。そんなドリームがあったら、コンソメメーカーは廃業です。
ドラゴンフルーツの皮は煮ても焼いてもドラゴンフルーツの皮です。
私は、いつも野菜炒めにしてます。なぜならラクだから。
名付けて「ドラゴンフルーツの皮ともやしと鶏皮を炒めて酢と塩とオイスターソースとカレー粉で味付けしてゴマふったのん」。なんだそれは。
ドラゴンフルーツ皮は過去4回ほど野菜炒めにしましたが、毎回、ナムプラー炒めでした。やはり東南アジアの調味料が合うと思います。今回そうじゃないのは、単にナムプラーをきらしてたからというだけです。
ドラゴンフルーツの皮が食べられるというのは、誰かに教わったり何かを読んで知ったわけではなく、独力で気づきました。
食べ終わった皮を見て、
「あ、これ、火ィ通せば食べられるな」
と思って。野生児みたいですけど、自炊歴も長くて貧乏をこじらせると、こういうカンが働くようになります。
別に、なりたくはなかった。
酢を入れたのは、鶏皮なのでサッパリさせようと思って。オイスターソースは、ナムプラーをきらしてたので代用で。カレー粉を足したは、そのオイスターソースも小さじ0.5杯くらいしか残ってなかったから。
もはや何料理なのかわかりません。こんなんで美味いわけないと我ながら思いますが、そこそこ美味しかったです。バカ舌なだけかもしれません。
ドラゴンフルーツの皮はドラゴンフルーツの皮の味……と主張するために記事を立てましたが、バカ舌なので、ドラゴンフルーツの皮の味ってどんな味?と言われても説明ができません。
非常にクセのない、存在感のない味ですね。トマトからうまみや酸味や香りを抜いたような味と食感というか。味の薄いパプリカというか。 青パパイヤにも似てるような気がしますが、私の個人的な気のせいで誰も賛同しなさそうに思えます。
見た目以外には個性がありません。個性がないので、どんな味付けでもだいたいうまくいく、そんな感じでしょうか。