このエントリは2004年に書かれました。SNSの普及以降、こうしたいわゆる「まちがってるのに人口に膾炙してしまった雑学」を正していこうというムーブメントが出てきましたが、2004年当時は、まだそれほどだったと記憶しています。
雑学ブームの落とし穴
「トリビアの泉」ヒットしてからというもの雑学ブームが続いている。が、いわゆる「雑学のタネ本」に書いてあるネタが本当だとは限らないという話。
「言語を生み出す本能」という言語学の本を読んでいたら、
「イヌイットが雪を表現する言葉を200以上持つという話は都市伝説である」
という一説に突き当たった。
「イヌイットは雪を表現する言葉を200以上持つ」
という話はこの手の雑学ネタでは有名かつ定番のネタで、いかにもありそうな話なので自分は素直に信じていた。
だから、都市伝説だと断言されてチトびっくり。検索して調べてみた。
http://www.mendosa.com/snow.html
このサイトにイヌイットが使う雪のための言葉が100語弱並んでいる。
100語。都市伝説だといいきるにしては…と思ったが、中身をよく見ると雪を表現するための言葉というより「雪が関連する言葉」が大半を占めている。
日本語で言えば「なだれ」「かまくら」などを「雪を表現する言葉」に含めるようなものだろう。それなら日本語でも軽く50語くらいは越えるんじゃないか。と。
この話を信じていた人間としては
「降る雪、及び積もった雪の状態を表す言葉が200もあるんだ」
と思っていたので、やはり詐欺にあったような気持ちだ。
ん~、都市伝説……かな。やっぱり。
と、いうわけで今後は新トリビアとして
「イヌイットが雪を表現する言葉を200以上持つという話は都市伝説である」
を脳内に持ち歩いていこうかな、と、思った次第でございます。