『どっからみても波瀾万城 第一話・姫路城』について
コミック大河 創刊号( 2010-01-25 発売号)に掲載されました。
お城を題材にしたお城擬人化オムニバスうんちくマンガです。 面白くてためになるので読んで応援の葉書などを出すといいです。 人気がでたらページも増えて、この面白いマンガがもっともっと読めるようになりますです。
桝田道也のマンガが月に 16 ページしか読めないなんてもったいないですよ(真顔で)
表紙。失敗したと思います。漆喰目地止めした瓦屋根がうまく表現できなかったし、唐破風の曲面も変だ。あと細かい失敗点は言いません。気づいた人はだまってて!
つーか、線が細すぎますね。うーん。
乱で描いてたのが、ちょっと線が太すぎるかな…と思って、 ペンをミリペンからGペンに変えて原稿用紙を A4 から A3 に変えてみたんですが。 今度は細すぎた。
普通に、素直に B4 で描けってことですね。よし、第4話からはそうしよう(第3話はもう下描きに入ってるから)
作者注
えーと、なんか落穂ひろいあったかな。
姫路城ちゃんの口調は播州弁にしたかったのですが、 よくわからなかったので、結局テレビ的な関西弁にしました。 兵庫なら関西弁圏内だろー的な安易な判断です。すみません……
中国大返しの件でみなもと太郎先生と微妙に被るとは思わなかった。
見事なほどに、休憩地としてほぼ中間に姫路城があるんですよね。 本能寺の変における秀吉陰謀説がささやかれるのも無理はない。できすぎてる。 もっとも私は秀吉にはそこまでの謀略能力はないと思ってますが。
取材の成果。
郭のいろいろ
別にマンガとは関係ないけど、
こないだ読んだ城ガイド本の中に、連郭式と梯郭式が逆になってる本があった。
間違えやすい部分かもしれない。特に梯郭式は、
「どこが梯子?」
と思わないでもないし。
姫路城の七難
七難は多すぎた。難の六と七は同じことを別々に言ってるだけだし、難の五も
「難か?」
というところ。特に難の三と五は、展示してあるわけでないし(よね?)、描くべきでないことだったかもしれないけど、七難と言ったからにはどうしても……
石打ち棚を設計ミスから生じた後付けの設備としたのは、ちょっと怒られるかもしれない。 が、やっぱりどう見てもそうなんですよ。
でも、
「だったら敵の進路を~」
のくだりは私の妄想が入りすぎで根拠は無く、筆が滑ったと思ってます。
もし単行本が出るとすれば、たぶん削るか直すかすると思います。
姫路城は西の抑えだったのかどうか
マンガの中ではあまり触れてませんけど。どうなんでしょうね。 家康好みの白い城にしたのは露骨なおもねりだと思うけど。 渦郭が江戸城と対になってるのは、たまたまかもしれない。 重機の無い時代に、そこまでデザイン優先で掘削しないんじゃないかと。 それまでにあった堀を拡張したら、たまたま江戸城と線対称になったってだけじゃないかなー。
そんで、はたして姫路城&池田輝政が本当に西の守りの要であったのかどうか。 池田家はそうふるまっただろうし、徳川家も表面上はそういう扱いだったろうけど、 お互い内心じゃどうだかね。
言うまでもなく輝政は父と兄を小牧・長久手の戦いで徳川に討たれてる。
言わば仇敵。
徳川家康の娘を妻にしたっていうのも秀吉の命令に近いものだからね。
「池田も徳川もわしの部下なんだからケンカはやめなさい」
という理由で結婚させられたものだ。
輝政は保身のために家康におもねっただけで忠誠は無かったろうし、 徳川だってそれは承知の上だったはず。だからこそ、姫路城の築城を天下普請で支援しないどころか、逆に何度も徳川家の城の普請を“お手伝い”させて池田家の財力を削ってる。 輝政は輝政で重税を課してまで重装備の城を築城した。
姫路城が外様なのになぜか天下の格を備えているのは、池田家と徳川家の微妙な緊張関係の賜物だと思うんだけどな。もっともそのあと、池田家は姫路城を取り上げられちゃうんだけど。
七難は多すぎるけど、姫路城が“欠点の無い完璧な美”というのもどうかと思って、あんなマンガになりました。怒られそうだけど、あの城の魅力は無謬性ではないんですよ。油壁だとか石垣の石臼や石棺だとか、規則性があったり無かったりする矢狭間・鉄砲狭間などを始めとした混沌の迫力こそが姫路城の魅力じゃないですかね。
心柱のズレ
作中では 30cm と書きましたが、 担当氏がネットで検索したところ 60cm や 50cm と書いてあるページは見つかっても 30cm というソースが見つからないんですがー!と電話してきました。
えーと、私が孫引きしたソースは「プロジェクトX」の書籍版のやつです。何巻だったか忘れましたが。
最後のコマ
いい表情が描けた!と思う。
では、今後とも当連載をよろしくお願いします。 ツッコミや間違いの指摘は大歓迎です。 ほんと、自分の不勉強に大きな不安を抱えつつ描いております。 方言指導などもしていただけると嬉しいです。 ご指摘いただけたら、もしかすると単行本化の際に反映されるかもしれません。
↓『どっから見ても波瀾万城』の試し読みがあります(試し読み部分は第1話:姫路城の全部と第3話:五稜郭の一部です)
>お城擬人化娘マンガ『どっから見ても波瀾万城』 | ブログ桝席
http://blog.masuseki.com/?p=8657
前ブログのコメント欄より転載
名前なし どっからみても波瀾万城拝読しました。
連載おめでとうございます!!
擬人化→萌えとは別方向の大人のエロスというか下ネタ満載に
大喜びしていたのは内緒です。
いつか、駅から姫路嬢(もう熟女かな)見てきますね。
桝田道也 どうもです。
第一話からこんなに下ネタ満載じゃ先が思いやられますね…
いや、決して、決して、下ネタをやるのが目的ではないのですが、
下品になりすぎないように露骨ギリギリ一歩手前に踏みとどまるように心がけました。
(踏みとどまれているかどうかの判断はおまかせします(笑))
姫路城はいま改修中ですから、来年にはピチピチギャル(死語)に若返ってますよ!