佃島への中継地点 江東区の中の島公園に行ってみた。
訪問日は 2016-08-13。
あらかじめ言っておくと、ぶっちゃけ普通の公園である。昭和初期には大変な賑わいを見せたとか、感潮池(潮入り)があるとか、区民投票で江東八景に選ばれているといった特色がないでもないが、観光地として強い引きがあるとまでは言い難い。
ではなぜ、わざわざブログで単独エントリにするかというと、私が、中州に強く惹かれているからだ。
中州。なんとなく、憧れのような感情を抱いたのは小学生のころだろうか。
宮崎市に引っ越した私は、市内を流れる大淀川の丸島と呼ばれる中州を見ては、いっぺんあそこに行って見たいと思っていたものだ。
この島は一ッ葉大橋の下にある中州で、様々な貴重な植生が見られ、また釣りの好ポイントとしても知られている。
が、上陸手段はボート(もしくは泳ぐ)しかなく、当時から今まで、丸島に足を踏み入れるという夢はかなっていない。
その思いが、脈々と心に刻まれていたのだろう。東海道線から天白川の分流堤道を見たり、荒川を河口までママチャリで走ってみたら首都高の下に分流堤道があって感銘を受けたりして、
「川の中に残る、中州を基礎としたなんでもないような場所が、すごく良い」
と思うようになったのだ。
陳腐な言い方であるが、なんにもないがある、のだった。
ということを、2016 年の夏には特に強く意識するようになって、検索し、自転車でいける中州として中の島公園を見つけ、訪れたという次第であった。
中の島は明治時代、越中島から佃島への木橋がかけられたとき、中継地点となった中州だ。
大正時代に火災で木橋が消失し、相生橋が再建された昭和2年、公園として整備されたのが 中の島公園のはじまり。
開園当初はたいへんに賑わったが、隅田川の水質汚濁とともに来園者も減り、昭和48年にいったん閉鎖。水質改善の見られた昭和55年に再整備されて再び開園したのだという。
たった7年で、そんなに水質が改善されるものだろうか。
なお、ウィキペディアによると、隅田川唯一の水上公園、なのだろうな。隅田川唯一……そもそもの範囲が狭いのではなかろうか。
江東区立中の島公園 – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%9F%E6%9D%B1%E5%8C%BA%E7%AB%8B%E4%B8%AD%E3%81%AE%E5%B3%B6%E5%85%AC%E5%9C%92
明治丸も見える。こうして見ると、地上に設置されてるのではなく、運河に係留されているように見える。
釣りをしていいことになっているが、この日は一人の釣り客もいなかった。
冒頭に書いたが、公園の水際は感潮池(潮入り)になっている。満潮時にはここに海水が入るのだろう。
潮入りといったら、浜離宮もそうですからね。広い目で見れば、おなじ土俵ですよ。
ただし、海水が入り、日差しが当たらないため、この通路部分はきわめて磯臭かった。磯の臭さが苦手な人は注意。
ここは焚火禁止の公園だ。これほど火を燃やすのに最適な設備があって、その禁止令は酷じゃないか?
というわけで、中州に特別な感情がなければ、とくにどってことない、やや景色はよい公園。
特別な感情があれば、
「あらあらあらあら、良いじゃないの良いじゃないの~」
な、中の島公園(江東区)でした。