近世大名は城下を迷路化なんてしなかった_バナー



だだっ広い! 播磨国赤穂城(兵庫県赤穂市)

この記事どう? ええよ~

赤穂城

訪問日 : 2025-01-04

忠臣蔵で有名な赤穂藩の赤穂城を見に行きました。
下調べもせずサックリ訪問でいろいろ見逃してる記事です。

赤穂駅 浅野内匠頭の辞世の句がドーン!。
赤穂駅 浅野内匠頭の辞世の句

辞世の句に出迎えられる駅というのもなかなかないと思います。

コミュニティ・バスの名前が「ゆらのすけ」だったり、赤穂浪士事件が「死」のイメージに強烈に結びついてることを気にしてないと言うか、むしろ楽しんでるご様子。

そういえば前に会津にいったとき、白虎隊の自刃の地もみやげ物屋がズラッと並んでて、あそこも死をエンタメ的に消費してる感じでしたね。そんなこと言ったら怒られますか? ごめんちゃい。

お芝居としての『忠臣蔵』が死のエンタメ化以外のなにものでもないですしね。 吉良さんの遺族への配慮なんかありゃしねえ。

到着。駅から 800m くらいです。歩いて6~8分。
赤穂城

三之丸大手隅櫓(復元櫓)。右上を撮り忘れてて合成に欠けが発生。
赤穂城 三之丸大手隅櫓

奥のあたりの合成も水平が狂ってるのが気になります。がんばれコンピューター!

範囲をせばめて、もすこし自然な感じに。
赤穂城三之丸大手隅櫓

結局、合成しないのがいちばんよかったというオチ。
赤穂城三之丸大手隅櫓

赤穂城は明治以後に建物はすべて処分されており、現存櫓・現存御殿はありません。

> 赤穂城 – Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%A4%E7%A9%82%E5%9F%8E

しつこく赤穂城三之丸大手隅櫓。これも合成。
赤穂城三之丸大手隅櫓

影の落ち方がバグってるように見えますが、手前方向にお城建築風の日本料理屋さんがあって、その影です。

大手門。
赤穂城 大手門

これは大手門前の和菓子屋さん。シャチホコが多いな!
赤穂城 大手門前の和菓子屋

赤穂城は西国街道の要衝ということで大坂の役よりあとの 1645 年に本格的な近世城郭へ改造が始まりました。
赤穂城 大手門

もう太平の世に突入しちゃってる時期の築城です。江戸前期の築城ブームで培われた技術の集大成、完成形という評価をされている城です。
赤穂城 大手門

当時は兵法・軍学の勃興期。赤穂城の近世城郭化は甲州流軍学者の近藤正純が設計しました。
このとき赤穂藩に身を寄せていた山鹿流軍学の祖・山鹿素行も縄張りに助言したと言われています。

赤穂城は本丸・二の丸は輪郭式で三の丸が梯郭的に付属する、変形輪郭式の縄張りになっています。

甲州流の縄張りの理想は「小さく、丸く」です。
輪郭なところは「丸く」と言えますが、三の丸はそこが崩れています。
現在のだだっぴろい様子を見ると小さくはないように見えますが、五万石の大名の城として大きすぎるのかどうか、私にはわかりません。

そもそも、甲州流は海の無い甲斐で発達した武田の築城術なんですよね。
武田も駿河に攻め込んで海城をもたなかったわけではありませんが、それほどノウハウはなかったはず。

山鹿流だって大雑把に言えば甲州流の派生であって、そんなにちがいません。

彼らの軍学がどれくらい役に立つものだったか……実戦を経験していない赤穂城において、それは謎と言うほかありません。

そういう意味では江戸前期の築城術の集大成というよりは、実戦を経験してない世代の机上の空論で設計された最初の城と言うべきなのかもしれません。

色違いの石を使って大手門を装飾しようという意思があるように見えます。
赤穂城 石垣

偶然ではなく作為性があるように思えるんですよね。
赤穂城 石垣

教科書通り、折れのある桝形虎口になってる大手門。
赤穂城 桝形虎口

大石邸長屋門(復元)。パノラマ合成しないと一画面におさまらないものが、ある。
赤穂城 大石邸長屋門

でもマンガにはパノラマや魚眼って使いづらくて、こういう写真の方が使い勝手がよいです。
赤穂城 大石邸長屋門

パノラマや魚眼って表紙とか見せ場とか目立つとこで使われるので必要度が高そうに思えるでしょうが、ほんとうに役立つのは地味で平凡な構図の「ツブシが効く」写真なのです。

にしても、やたらとだだっぴろい。
赤穂城

維新後、建物があらかた処分された後に赤穂中学(旧制。戦後は赤穂高校)がありましたが、それも移転しています。 それで、全国のこういう城址公園って体育館とか図書館とか建ちがちなんですが、赤穂城はそういう感じの整備でもなく。

全体的に庭園っぽく整備してあります。復元建築も要所に限りという感じですから、まァ、だだっぴろいこと。空が広くて気持ちがいい。

赤穂訪問のメインは坂越の方で失礼ながら赤穂城はついでだったので、ぐるっと回っただけ。
赤穂城

よりによって天守台を撮り忘れました。ファーwwwwwwww

まあ、駅から近い「行きやすい」城なので、いつか再訪するんじゃないかと思います。

石垣の見せ方に味わいがありますな。
赤穂城

このへんが二の丸門のあった場所で、山鹿素行のアドバイスで修正したと伝わる部分です。

赤穂城では地面を掘っても塩水しか得られず、飲料水確保のために上水道を作らねばなりませんでした。 早い段階で整備された赤穂の上水道は日本三大水道のひとつに数えられます。

ということは ** 上水道または水源を制圧されたら籠城できない、非常に弱い城だったのではないか ** という……

そこんとこどうなんですか山鹿素行さん!。
赤穂城

本丸まで来てるのに、天守台を撮ってないってどういうことですか自分。
赤穂城

理由判明。本丸門が開いてなかった。
赤穂城

調べたら、本丸と二之丸庭園は9:00~16:30(入園は16:00まで)しか入れなかったようです。

本丸門の写真の撮影時刻は 9:01 なのですが、カメラの時計を正確に合わせていなかったので実際は 9 時前だったのでしょう。

だから天守台どころか本丸そのものを見てないわけですwwww だだっぴろいという印象を持っちゃうわけですね、だだっぴろい部分しか見てないんですもん。

最初から「ちゃっと行ってちゃっと見て帰るだけ」のつもりだったので、本丸を見られなかったことにさえ気づいてなかった自分なのでしたwww ウケるwwww

そもそも本丸と二の丸に入場制限時間があると思っていなかったのですね。はー、庭園として整備したから、入場制限があるわけだ。なるほどですねー。

見落としに気づかずズンズン進んでます。これは大石神社。
赤穂城

しかしもう時間が無いのでスルー。

そもそも赤穂城にそんなに時間をかける予定はなかったのです。だから本丸、入れなくて逆によかったのかも。入ってたらこの日のその後の予定が崩れてたかもしれない。

この日はこのあと龍野城に行く予定で、私にはそっちの方が重要だったのです。

龍野城が赤穂城より優れてるとかそういうことではなく、龍野藩(というか脇坂氏)が『識りたがり重豪』に関係があるので……という個人的な理由で、龍野城の方が重要な取材対象だったのでした。

これから整備されるのかな…と思っていました。自分が整備された部分を見逃しただけなのにw
赤穂城

だいたい見たと思って(実際は見てないのだけど)駅へ向かいます。
赤穂市

需要に合わせて新しく作られたフェイク古看板とかありそうだな~と思ってます(この店がそうだという話ではなく)

日本三大水道のひとつ、赤穂藩上水道の遺構。
赤穂藩上水道の遺構

赤穂駅。
赤穂駅

駅にて。元禄赤穂事件略年表。「略」の概念が崩壊する情報量。
元禄赤穂事件略年表

ベンチで読めない部分が出てきちゃうほど情報を詰め込まなくていいw
元禄赤穂事件略年表

ゆらのすけ(内蔵助)を他で使われてしまっているからか、まさかの陣太鼓キャラ化。
陣太鼓キャラ化

そんなこんなで、最初から小一時間で見られる範囲だけを見る、というつもりの簡単な訪問だったので、結果として
「またこんど、じっくり見ましょうね」
な訪問になってしまったのでした。

そういうこともあります。


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