2016-03-06
アパートの建て替えにともなう退去を要請された
先月末、管理会社の人がやってきて、オーナーがアパートを建て替える意向なので、できれば2ヶ月内に退去してもらいたいとの通告を受けた。
正直、いまの家賃が重荷になっていたので、グレードの低いアパートに引っ越したいとはつねづね思っていた。
が、そのための引越し資金がない。それでずるずると住みつづけていた。
今回、転居にかかる費用すべてをオーナー負担ということなので、居座ってゴネ得を狙ったりせず、条件さえ折り合えば出て行くつもりだ。
その条件で、いまちょっとオーナーの返答待ちであるが、それは今のところ、このエントリの本題ではないので、割愛する(話し合いがこじれたら、本題になるかもしれないが)
そもそも、仕事を増やしたくて 23 区内に引っ越した
いきなりぶっちゃけるが、23 区内に引っ越してきたのは、マンガの仕事を増やすためだった。だが、残念ながらその目論見は外れた。人間関係や自身の内面的成長という点では、いま住んでる街で過ごした十数年は大きな意義があった。が、本業(マンガ)では特に良いことはなかった。
『ファンブルファイブ』や『コミック乱の読みきり』や『波瀾万城』、『刃乱万丈』のお仕事は引っ越してきてから生まれた縁であるが、23 区内に住んでいたから生まれたわけではないと言えると思う。
2003 年、『浅倉家騒動記(2巻)』の印税を得た私は、
「連載の終わったいま引っ越さなければ、しばらくは引っ越せなくなる!」
と焦っていた。
当時は東京都西部に住んでおり、すでに十年ほど住んでいたので土地に飽きていた。
そして、打ち合わせのために都心に行くのが面倒でもあった。
フロ無し¥ 33,000 のアパートだった。フロ付きアパートにステップアップしたかった。
「電車でのりかえずに講談社へ行けるところに引っ越したら、バンバン打ち合わせできてバンバン仕事がもらえるのでは?というか、連載が終わったんだし、積極的に仕事をもらいにいかねば!」
……と思ってしまったわけだ。アサハカこのうえない。とりあえずシリコンバレーに進出すれば世界レベルの企業になれるんじゃない?と思うくらいにアサハカだ。
ここで若いフリーランサーに、私からの忠告がある。
- 有り金をはたいて転居すると、その転居が失敗だったとき、再転居できなくなる
- 作家が首都圏に住むことは大きな利点になるが、23 区内に住む必要はない。
打ち合わせをバンバン入れると、それだけ原稿を描く時間は減るのだ。
(2)に関しては、現在そしてこれからはなんとも言えない。スカイプ打ち合わせが普及すれば、地方の不利は解消される。むしろ首都圏の安アパートの方が近所迷惑になるので夜のスカイプができず、不利になるかもしれない。
首都圏が有利というのは、ほぼすべての出版社が東京に集中しているからこその理由だが、セルフ電子出版の道が開けた今や、変わっていく可能性がある。
ニュース性・速報性が重要なジャンルの作家だと、23区内に住むことは意味があると思う。 もちろんWワークで職場が 23 区内にあるなら、通勤時間が短いほど作品にかけられる時間が増えるのは言うまでもない。
コミケが基本、首都圏開催である以上、同人で食ってく人も首都圏に住んだほうがいいよね。よく知らないけど。
というわけで、グレードの低いアパートへ戦略的撤退する
ガシーン!SHOWターン!
まだ、どこに転居するのかも、本当に転居するのかどうかも決まってないが、とりあえず予定としては、隣接する区か市の、グレードの下がった家賃の安い物件に移動するつもり。
今と同じ区は、もう飽きたからちょっとヤダ。
ぐっと家賃を下げてフロ無しにするか、ちょっとだけ家賃を下げてフロありを維持するか、まだ決めかねている。
フロ無しに引っ越した方がブログ的にはネタになるが……