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[丼] ♪ずどんを一発(デデデッ)食べてみよーおーよー

この記事どう? ええよ~

ず丼。略さずに言えば「なまず丼」。食べてみたかったので埼玉県吉川市まで行った。

うなぎ丼は、うな丼。エビ天麩羅丼は、天丼。そして、なまず丼を略すと「ず丼」だと知ったのは dpz だったか。 2009 年のことだ。

同じころ、埼玉県の吉川市はナマズが名物であると知った。それ以来、ながいこと、
「吉川市に行って、ず丼を食べる」
が、いつかやりたいことの ToDo リストを占めるようになった。

そしてこの春。

春になって暖かくなって、運動もかねたママチャリ遠征を再開したい。さあ、どこに行こう?と考えたとき、思い出したのは吉川市のず丼のことだった。

基本、日帰り旅行でも弁当持参だったりとケチケチ旅行で通す私だ。しかも、たいがい見物が主体であって、食べるのが目的の旅行など、しない人間である。

しかし、今年の3月、私はいろいろ、頑張った。残業もたっぷりした。たまには、自分にごほうびをあげてもいいだろう。たとえママチャリで片道 21km かかり、これはごほうびなのか?苦行じゃないのか?という疑問がつきまとうとしても

(しかも草加松原や大相模調節池など寄り道しまくったので、最終的に片道 30km はチャリを漕いだと思う)

吉川駅前に到着。金色ナマズオブジェ。市をあげてのナマズ推し
吉川市駅前 なまずオブジェ

ある意味、このオブジェを見に来たともいえるし、これくらいしか見物するものがないとも言える。
吉川市駅前 なまずオブジェ

吉川市。私の守備範囲である城址も目立ったものがないのはもちろん、史跡も驚くほど少ない。

戦国時代、集落があったところには、たいてい小さな城館もあったものだが、吉川市にはそれがない。 吉川市から三郷市にかけて流れる二郷半領用水の、その二郷半領。これは、この地域に50世帯以上の集落(郷)が二つと、50世帯に満たない集落がひとつあったことに由来する。一世帯4人として、500 人くらいか。この地域の面積を考えると、やはり少ない気がする。

おそらく、伊奈忠治の新田開発、用水路開削が完成するまで、中世人の住むのに適した地域ではなかったのだろう。

それならそれで、だ。埼玉の他の、洪水に悩まされた地域と同様に、江戸時代や明治大正期の土木遺跡など残っていても良さそうなのだが、吉川市はそれも乏しい。

現在、吉川市にかかる小さな橋などを見て回ったが、意匠に凝るという面がほとんど見られなかった。ある意味では徹底的にモダニズムで無駄がない。そもそも、装飾に凝るとか、古いものを残して愛でるということに、淡白な地域性なのかもしれない。

実際、それが地域性なのかどうかはともかく、吉川市には史跡や歴史的観光名所が皆無に近いという事実はいかんともしがたい。

しかし、吉川市は町のPRをあきらめなかった(のだろう)。もともと湿地帯で、沼地が多く、かつてはナマズがたくさん生息していた。これだ。ナマズだ。これを町の名物にしよう。なに、世の中、花より団子だ。眼福より食い気である。

そういうわけで、吉川市にはナマズ料理の店がいくつかあり、おみやげにナマズをあしらった食品も多く、いろんなお店で水槽に飼われているナマズを鑑賞できるのである。(おそらく、ナマズ釣りも吉川市のメジャーな趣味であろう)

 

という前置きはどうでもよくて、さあ、なまず丼を食べてみよう

吉川市のなまず料理店はいくつかあるけど、結局、ネットでもっとも情報が多かった「ますや」にした。
割烹 ますや

15:00 という変な時間に訪れたせいか、接客はヘッポコだった。腹の立つヘッポコではなく、
「あーもー、しょーがねーなー」
と苦笑いが出るような、トホホ系のへっぽこ。

まず、お店に入っても誰も出てこない。
「えぇ……(困惑)。営業中の札が掛けてあるの確認したのに……」
と待つこと一分。御用の方はベルを、の張り紙はあるが、そのベルが見当たらない。

ベルを探してキョロキョロしてると、突然、奥から仲居さんが現れた。なに?このキョロキョロしてる不審者は……みたいな表情をされたが、これはまあ私の被害妄想としておこう。

ともあれ、無事に席について、なまず丼を注文した。時間が時間なので、私以外の客はいなかった。

待つ間に、メニューなど見る。「小魚」。なんの魚か書いて!(懇願)
小魚?(ますや/吉川市)

小魚なあ。ふりかけだったら、魚の種類なんて気にならないのに、割烹料理店の一品メニューとなると、種類が気になるのはなぜなのだろう。

ここで、中年夫婦が入店。こんどは、すぐに仲居さんが出てきた。予約していた者で、コースを頼んでいると。
「ご予約のお客様がいらっしゃいましたー」
と言いながら、店の奥に引っ込む。

一分ほどして、別の仲居さんが現れた。中年夫婦に向かって
「ご注文はお決まりですか?」

「え……、いや、だから、予約してて……コースを頼んでいるんだけど……」
と、めっちゃ不安そう。そらそうよ。

後者の仲居さん、へー、予約客がいたんだー、初耳~、くらいの軽いノリで 「ご予約のお客様がいらっしゃいましたー」 と言って引っ込んでいった。いや……あの……失礼しましたとかなんとか、言ったほうがいいんじゃ……と、傍で見てて心配になった。

そして、私のナマズ丼が到着。

味噌汁にピントが合ってしまった。グルメライターになれませんな。
なまず丼(ますや/吉川市)

ごろっとしたなまずの天ぷらが3つと、レンコンの天ぷらと、ししとう(たぶん。うろおぼえ)
なまず丼(ますや/吉川市)

うなぎのかば焼きのタレほどコッテリはしていないけど、天つゆよりは濃いめのタレがかかっていた。

昨今のウナギ不足から、ナマズが代用に挙げられることが多いですけど、食べてみたら、ぜんぜん違った。

肉厚でジューシーな白身は、むしろ鶏のモモ肉を連想させた。身がプリッとしてて、衣がズルッと取れてしまい、これ天ぷらじゃない方がいいんじゃない?な感じはエビにも似てる。

しかし食べすすめると、やっぱり鶏でもエビでもなく、魚であって、ダイナマイトボディなキスの天ぷらと思えてくる。その一方で、鮎やマスのような、清楚な淡水魚らしさがかすかに、でも確実にした。

というわけで、ナマズの味はナマズの味であって、例えようがないというのが正直な感想。

あと、私は基本的にバカ舌なんで、正直、あんまり信用しなくていいです。

お値段、1,580 円。値段なりに美味しかった。お新香も味噌汁も、非のない美味しさ。

好奇心価格と思えば、こんなものだと思う。ただ、好奇心が満たされたいま、この値段でもう一度食べたいかというと、ちょっとね。自分の経済事情が変わらない限り無理かな、というところ。

食べ終えたので、会計してもらおうと店の奥に向かって 「すいませーん、お勘定~」
と3~4回は声をかけたのだけど、誰も現れない。 私、べつに声の小さい方じゃないんだけど。

4回目にして、なんか聞こえるなァ風に板さんが顔をのぞかせ、ようやく気付き、あわてて仲居さんが呼ばれ、会計してもらった。食い逃げやり放題かよ、この店。

そんなこんなで、接客は苦笑い系だったけど、料理はまっとうに美味しかったです。吉川市ますや

  >ますや – 吉川/割烹・小料理 [食べログ]   https://tabelog.com/saitama/A1102/A110205/11019285/

食べログを見ると、お店のサービスも良く…というコメントがあるので、私の場合が、たまたまちぐはぐだったのだけと思います。

で、あらためて、ず丼を知った dpz の記事を読み返したら

  >@nifty:デイリーポータルZ:ずどん480円
   http://portal.nifty.com/koneta04/09/02/01/

え?480 円?その値段ならリピーターになるわー。新大久保?マジで?片道 30km こいだ、私の苦労は……orz

追記 : ↑の新大久保のず丼屋さんは、2018年より前に閉店してしまっていたらしいです。

ここはシェアと拡散の店だ。どんな用だい?

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