埼玉県指定天然記念物・石上神社の入西のビャクシンを見に行きました
カネがないのはいつものことだけど、今年は特にきびしくて、三泊四日のママチャリ旅行すら難しい私でした。
野宿で済ましたくても電チャリのバッテリのチャージを考えたらネカフェに泊まらなきゃならないのだけど、ネカフェの宿泊費すら厳しいという状況。
というかそもそも、そんなに休んだら来月の家賃が払えない。
ので、今年の夏休みは一日!日帰り旅行!……と決めたのでした。
日帰り旅行を他の長期旅行並みに思い出に残るものにするには?策はありました。
「気温35℃を超える猛暑日にロングライドする」
これです。私もママチャリや電車であちこち旅行するようになって長いですが、苦しかった旅行ほど記憶に残りますね。そして私に必要なのは思い出だ。
そんなわけで、前から見たかったけど、片道40kmと微妙な位置にある『入西のビャクシン』を見に行ったのでした。
ちなみに、命の危険があるのでオススメしませんし命の保証はいたしませんから真似しないでください>気温35℃を超える猛暑日にロングライド
私は真夏日のママチャリ旅行を過去に何度もやっております。日常でも配達業で猛暑日の中、チャリを漕いでます。暑さ対策のスキルを持っているのです。自身の経験から可能と判断し、万全の準備を整えてやっております。危うい場合は引き返すことも計画に折り込んでいました。
なんじゃい、この、でっけえホコリは。ブロワー持ってないんかい(持ってません)
ビャクシンってもっとこう、ウネウネしてるものじゃないの……おや?
……というのは、もちろん一人芝居。そういう樹形だと言うことをあらかじめわかった上で訪問しています。
ねじねじぐるぐる、とぐろをまいているくせに、全体としてはビャクシンらしからずまっすぐに伸びている。そこに入西のビャクシンの特異性があります。地元では「ねじれっ木」と見たままそのままな名前で呼ばれ、巨木でもないのに県の天然記念物に指定されるくらい珍しい樹なのでした。
私がなかなか来なかったのも、ひとつはその、ドリルのようにまっすぐな形が理由でした。
私がビャクシンに求めるのはウネウネとした異形の姿であって、入西のビャクシンは
「うーん、おもしろさはわかるんだけど、見たい感じのシルエットではないな……」
と思っていたのです。
ビャクシンは別名、イブキとも言います。イブキとは息吹きであって呼吸であって、呼吸するのは動物なのです(もちろん現代人である我々は植物も呼吸していることを知っていますが、ここでは古代人の知識と感性になってください)。
なにか異形のクリーチャーが息吹き、うごめくような、そういう錯覚を私はビャクシンに求めているのですね。
なので、あんまり琴線に響いてなかった(でもいつかは見に行くつもりだった)入西のビャクシンを目的地に選んだ理由は、交通費を使わないママチャリ日帰り旅行の行き先として、ちょうどいいのが他になかった……のが最大の理由ですw
……が、
「ぐるぐる巻いてるくせに、まっすぐ伸びてる!おもしろいじゃないか!」
と、いまさらながらに価値観をアップデートしたからでもありました。
入西のビャクシン訪問に今まで気乗りしなかった理由がもうひとつ。ネットで検索したら、良い写真が少なかったんですよね。
あ、これ、午後は逆光になるやつなんだな……とうすうす察しましたが、思った通りでした。
ブロワー持ってないんかい(やわらかい布(タオル)でホコリを払うくらいのことはしました)。
昔はデジカメの白黒モードで獲ってましたけど、今はもうカラーで撮ったのをソフトウェアでグレスケにレタッチしてばっかりですね。
レタッチだから周辺減光のフィルタもかましてみたり。 そういう写真に対して後から作為を行うのは、あんまり好きではありませんが、絶対拒否でもないですね。たまにはこうしてやったりします。ま、気分です。気まぐれ。
撮るんだったら朝か夕方がいいんでしょうね。真昼、それも夏はあんまし向いてない。
ねじねじだけどまっすぐ。なんでしょうね。ライフリングでしょうか。
グレスケ+ハイコントラスト。期待した感じに撮れてないとついつい、レタッチでなんとかならんか、悪あがきしてしまいますね。
あらあら。そうよコレよ。あたし、こんなんが撮りたかったのよ。こんなんでよかったのよ。あらあらまーまー。
うーん。良い。苔の色もレタッチ無しで十分にあざやかで、このへんは夏で良かった……のかしらん。
こっち側から撮ってパノラマソフトで合成すると「まっすぐ」感が失われて微妙ですな。
説明版に書いてあることですが、ビャクシンが植えられたのは臨済宗の寺が多いとのこと。なので、石上神社も元は近くにある成願寺の境内だったのだろうと。
廃仏毀釈に関係あるのかな?いや、廃仏毀釈が理由なら成願寺が残ってるのが変だから、石上神社に変わったのはもっと古いのか。
長徳寺のビャクシンは過去に見に行っています。こっちもビャクシンにしてはまっすぐで微妙に物足りなかった。
[巨樹・奇樹] 巨樹の幹に奇樹の枝 | ブログ桝席
http://blog.masuseki.com/?p=25#ChotokujiByakushin
生きてるうちに一度はビャクシン・イブキ・シンパク系のラスボス「宝生院のシンパク」(小豆島)を見に行きたいのだけど、いつになるやらですね。基本的にビャクシン類は西日本に巨木が多いらしいです。
湯河原の城願寺のビャクシン、北鎌倉の建長寺のビャクシン、千葉館山市の沼のびゃくしん、が次の目標ですかね……もう、このへんだとママチャリで日帰りは厳しいな。北鎌倉なら一泊二日で行けるし、ほかにも見どころが多いから行ってもいいな。
湯河原はもう、電車じゃなきゃいやな距離。以前にママチャリで小田原までいったときの経験にもとづく。館山はもっと厳しい。