この記事は、単独で記事を立てるには石像や銅像、仏像、オブジェ、街角アートなどを紹介するための記事です。ときたま更新します。
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御利益のハードルが高い! 西川地蔵堂(埼玉県志木市)
訪問日:2015-10-23
この項のパーマリンク:http://www.masuseki.com/wp/?p=7882#NishikawaJizodo
新河岸川と柳瀬川の合流点は、かつて栄えた引又河岸があり、現在の志木市の史跡のかなりの件数が、この合流点周辺に集中している。
たとえば、引又河岸跡と引又観音堂とか。
あんまり派手な史跡はないけど、いっぺんに史跡経験値がドカッと上がるので、地味な史跡好きにはオススメだ。
さて、この西川地蔵堂。1715年に西川さんが作った地蔵堂だから西川地蔵堂なのだそうな。個人製作かい。
それだけなら、ちょっとブログの記事にするには、なんぼなんでも弱いのだけど、この地蔵さんにはちょっと面白い風習がある。
まず、イボ取りの御利益のあるお地蔵様として有名である。転じて、他の諸病にも効くという。なんだ、転じてって?
イボ取りについて。
イボ取り祈願の方法は、まずこの地蔵尊の前に来て、ロウソクと線香をともして祈願をし、その後、その線香の灰を持ち帰り、これに熱湯を注いでかき混ぜて、イボの上に塗布して包帯を巻き、乾いたらまた塗布することを繰り返すうちに、硬かったイボがふやけてやわらかくなり、ポロリと落ちるといわれています。
だ、そーだ。
めんどくさい!超めんどい!
ていうか、ただイボに普通の灰を塗ってふやかし塗ってふやかししてたら、祈願しなくてもとれる人間、何人かいるんじゃねーか?
つーか、イボ取り祈願者がたくさんいたら、何時間待ちやねん?線香が燃え尽きるまで20分くらい?みたいな。
だが、こまかいことはいうまい。なぜなら、次の御利益を得るためのハードルの高さにくらべたら、これくらいの面倒くささは、屁でもないからだ。
さあ、イボ以外の諸病が治る御利益のもらいかたへ、読み進もう。
このご利益(※ イボ取りのこと)により願いがかなった人は、縁日で焼き団子を買ってお礼に備えるのがならわしとなっていましたが、このお供えした団子をイボ取り以外の諸病に悩む人が他の参拝人に気づかれぬうちに持ち帰り、食べると病が治るといわれていました。
この地蔵尊の縁日は毎月四日であり(後略)
おわかりだろうか?イボ以外の諸病に悩む人がクリアしなければならないハードルは、実にこれだけある。
- そもそもイボに悩む人がいなければならない
- イボに悩む人が西川地蔵尊へ祈願して治らなければならない
- その人が治ったお礼に縁日で焼き団子を買ってお供えしなくてはならない
- その団子を他の参拝者に気づかれないよう持ち去らなくてはならない
- 団子が腐って食べられなくなるまでにやらなくてはならない
- 自分以外にも団子を狙っている人間がいる場合、出し抜かなくてはならない。しかも気づかれてもならない
- チャンスは月に1度、年に12回しかない
無理ゲーか。
志木市で諸病に悩む人は、ぜひトライしてほしい。