東京ドーム 20 個分の、整備されてない調節池
(※この記事は2016年に書かれました。「整備されてない」は2016時点の状況です)
訪問日は 2016-10-29。
浦和くらしの博物館民家園へ行こうと思って、Yahoo!地図で川口市を見てた。 すると、博物館の近くに広い水域があるのに、池(湖)の名前がついてない。Google Map でも同様。
そのときすぐに OSM を見れば、そこが芝川第一調節地だというものだとわかって、興味を失っていたかもしれない。
が、面倒がって Yahoo!地図のレイヤーを OSM に変えて見ただけでは、情報が古かったのか、Yahoo!地図の側で手を入れたのか、名称を知ることはできなかった。
謎の水域。ならば行ってみましょう!目的地(浦和くらしの博物館民家園)の近くだし!
行ってみた。こんな場所があったとは!
春や夏の晴天なら小鳥さえずるビオトープだったのだろうが、秋の今は侘び錆びの世界だった。それもまた良し。
サラッと半周しただけなので、これ以上の情報はないのだけれど。
芝川第一調節池。同じ埼玉の彩湖と同じく、水害に備えた調整池・湧水池・滞留池だ。
彩湖とちがって、ほとんど整備されてない。堤体の上に砂利道がぐるっとあって、そこを散歩できる程度だ。トイレもない。ベンチもない。それが実に良かった。都心から 25km の場所で、この風情ですよ。
突然の雷光と雷鳴。堰を切ったように大雨が振り出す。
男女が二人、大雨の中、たまらず近くのポンプ小屋に飛び込む。
暗転。女性の悲鳴
「ジェニファァアアアーッ」
……という妄想が止まらない。
ところで、南米系っぽい外国人の若者達が、別の鉄塔に登り、写真を撮って盛り上がっていた(もちろん立ち入り禁止)。どこの国の若者も、バカなことをしたがるのは変わらない。
あまりそうは見えなかったが、植樹されていたらしい。埼玉県出身で明治神宮の森の計画で有名な本多静六博士の名が冠されていた。
いずれ、この芝川第一調節池も彩湖のように、個人的にはあまり面白くない普通の公園化がされてしまうのかもしれない。できれば、明治神宮の森のように、なるだけ人間の作為のない放置プレイの現状を維持してほしいと思う。
あれだけ葦の生い茂る、釣りによさそうな池だったが、釣り人はいなかった。禁止看板は見つけられなかったが、禁止されているのかもしれない。
バズーカみたいな望遠レンズで鳥待ちをしているバードウォッチャーはちらほらいた。
そして、充分に堪能したので、芝川第一調節池を去ろうと砂利道を北上したら、工事のためか周回道路が一部、通行止めになっていた。目的地(浦和くらしの博物館民家園)は北なのだが。
芝川へ出た。というのも、私は川の向こうに行きたかったからだ。
公園化されてないということは、自然を楽しむには申し分ないのだけれども、こういう不便を伴うということでもある。
道がない。橋がない。案内板がない。トイレがない。水飲み場がない。ベンチがない。 手付かずの自然と手の入った整備。両方っていうわけにはいかない。
もしや、入った地点まで引き返すしかないのか……、と、ややうんざりしはじめた。
芝川第一調節池を離れ、芝川沿いに南へ。武蔵野線の鉄橋があった。しかし人間用の橋はまだない。
ようやく、人間用の橋があった。橋脚はコンクリだが、上部は木製。非常に昭和チック。
場所はここ。
http://www.openstreetmap.org/?mlat=35.86609&mlon=139.71369#map=17/35.86609/139.71369
この橋より南では釣り人を多数見かけた。釣り師用の簡単な手作り座席がいくつも川べりにあった。橋より上流が釣り禁止なのか、単に既存の座席を使うほうがラクだから新たなポイントを開発しないだけなのかは、わからない。
ようやく芝川第一調節池から脱出できた。これは武蔵野線のマンボウトンネル。
サラッと半周しただけ。こんなものがあるとは知らなかった!という驚きで、かなり楽しんだけれども、再訪してちゃんと一周したいか?と言われたら微妙だな。
春か夏の晴れの日に、近くを通りことがあって、虫除けスプレーも持ってたらもう一度見るとは思うけど(条件が厳しい)。