韮山城(静岡県)を見に行きました
2014 ~2015 年末年始も 18 きっぷで帰省したんですが、片道で二回分。一回分あまる。今年はあんまり城を見に行ってないので、片道3~4時間(普通電車で)の辺りでどこかに行こうかしらと 12 月に思いまして。
行ったことのない有名な城はまだまだたくさんあって、その距離だと唐沢山城とか駿府城とか掛川城とかも行きたい。
でも、せっかく冬なんだし整備されてる場所よりは藪がちな山城に行きましょうかと。
山城は草の枯れる冬に行くべきという原則があるのですね。
韮山城は秀吉の後北条氏攻めで、三千の兵で四万の秀吉軍の攻撃を長く耐えたことで有名な城です。最終的に秀吉軍は武力で落とせず説得によって降伏させ開城しています。
もっとも秀吉軍は最初から小田原城と同様に包囲しての長期戦だったのではないか?と見られる節もありますが。だとしても、そうしなければならないほどの難攻な城ではあったということでしょう。
つまり、むちゃくちゃマイナーな城ってわけでもない。また、すぐ近くに江川邸や韮山反射炉があります。
江川邸と韮山反射炉も見学したんで、このふたつはそのうち別記事を立てます。
というか、この二つを見るために韮山城の天ヶ岳砦方面はあきらめたんで、このエントリは城郭の情報としてはヌルいです。
韮山城に関しては本格的な良記事がネットにたくさんあるので、興味のある方は検索すると良いと思います。
- 韮山城 土手和田砦 和田島砦 天ヶ岳砦 江川砦 余湖
- ★ 城郭探訪 韮山城1(伊豆の国市韮山) ★ ( 歴史 ) – ~未知なる城を求めて~城郭研究ノート – Yahoo!ブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/joukakukenkyuu/31556714.html
現在は周囲に田園が広がっている。当時は深田に囲まれた湿地の城、いわば浮城に近かったらしい。
韮山中学校。このあたりに家臣屋敷や職人の家があったという。つまり私は御屋敷方面からの大手道ではなく土手和田砦方面からの搦手道を登城したことになるのかな?
天ヶ岳砦方面はトレッキングになりそうでしんどそうだったし、私の眼力じゃ見てもあんまりわからんと思ったので行かなかった。
TENGA岳砦!!!(うるせえよ)
韮山城は南を天ヶ岳で守った後ろ堅固の連郭平山城ってことになるわけですね。
細長い丘陵に城を築けば連郭になるし、丸山に城を築けば輪郭になるだろうから、 最近、こういう分類はあんまり意味がないと思いはじめた。
切岸と腰曲輪(切岸 – Wikipedia)に見えるけど、近代の公園化に伴う造成にも見える。私にはなんとも言えない。
城池。古地図には沼とあった。大きな堀として、そして籠城戦での水源として使われたのだろう。
ここに限らず、説明板等は本丸に少しあるくらいで、各曲輪には名称を示す立て札もないので、初心者には不親切な城かもしれない。
やたらめったら立て札だらけの整備をされると、それはそれで台無しなので、バランスが難しいんですけどね。
ただ、後述しますが、韮山城は整備がなされてないというよりは、わかってる人が必要最小限の品のある整備をしていると、私は感じました。
霧が出れば天空の城っぽく……盆地じゃないし、あんまり高くないから無理か。
二の丸。権現曲輪とちがって、こっちは樹木が伐採されてる。このへんが品のある整備だと感じた理由。
ぶっちゃけ、韮山城は広い曲輪も少ないし、丘陵の上は最後の最後に篭もって戦う場所じゃないかと思いました。秀吉との戦いのときも御屋敷を中心に戦ってたんじゃないですかね。調べもせず思い込みで書いてますが。
本丸の先。南方向。韮山城の写真の定番構図。樹木も伐採されてて形状がよくわかる。良い整備。
本丸の南の曲輪。ここから先に藪を漕げば一段下にもうひとつ曲輪が見られたらしい。が、気付かなかった。
ウェブで検索すると、ここを塩櫓だとしてるサイトと、塩櫓を丘陵の上ではなく御屋敷の隣(丘陵の下)にしてるサイトがあって悩む。
塩櫓=煙硝(当時は塩硝の字を当てることもあった)櫓という発想で、危険物保管庫なら土塁に囲まれているのは納得がいく考え方ではあるが。
私にはなんとも言えない。現地の看板の古地図には何も書かれてなかった。
うっかり踏み外して落ちるところだった。山城は危険に満ちている。
もう一度書くけど、こういう曲輪では樹木を伐採してないあたりに、わかっている感があった。
丘陵の下の方ともなると、開発もやむなしか。興ざめして、これ以上近づかなかった。後悔している。
竪堀(竪堀(たてぼり)とは – コトバンク)のようにも思えるし、自然に出来た地形にも見える。
自分の山城を見る能力に自信がないので、つい間違ってる可能性を考えて断言できない。
屈曲してる。虎口だ(すべての虎口が屈曲してるというわけではないけれども)。これくらいはさすがに私でも断言できる。
その、虎口を曲がった先にあったのが、本記事の冒頭にも貼った韮山城の堀切またぎの樹だ。
堀切をまたいで、両岸に根付いたアーチ状の樹である。かっこいい。
最近、倒木して根付いてしまったのか、それとも今まで韮山城に来た人は何も感じなかったのかわからないが、ウェブでこの樹木を大きく取り上げてる人は私の観測範囲では見かけなかった。
奇樹萌え属性のある私にはたまりませんわー。城に興味がなくても奇樹好きなら、十分これだけで目的になり得るレベルだと思うけどなあ。
以上です。このあと、江川邸に向かいました。韮山高校の敷地に入って御屋敷の痕跡を探すわけにもいかんしね。